【オリックス】ドラフト1位・山下舜平大の“現在地” 

オリックス・山下舜平大
オリックス・山下舜平大

 未来のエース候補が記したプロの“第一歩”にワクワクした。オリックスの昨年ドラフト1位ルーキー・山下舜平大(しゅんぺいた)投手(18)=福岡大大濠高=が4月15日のウエスタン・リーグ、阪神戦(京セラドーム大阪)で初先発を果たして公式戦デビュー。MAX154キロ右腕のこの日の最速は151キロで、2回1安打1失点だった。

 「どのくらい(球速が)出ているかは気になりました。(151キロに)満足はいっていないけど、ここまでは順調に来ているかなとは感じられました」。日本最速の165キロを目標として宣言しているだけに、球速を含めた直球の質に納得の表情とはいかなかった。ただ高校時代からこだわってきた、唯一の持ち玉であるカーブに関しては相好を崩した。「試合前は真っすぐより、カーブでしっかりストライクを取れたらと(課題として考えていた)。練習中には決まらないことが多かったけど、結構決まっていたので良かったと思います」

 プロ入りが決まった当初、投球の幅を広げるために縦の変化としてフォーク習得を目指すと公言していた。しかし、この日は高校時代同様、直球とカーブのみで勝負。試合後、「真っすぐの球速や伸びが、まだまだだなので。まずは真っすぐを伸ばしていこうとやっているので、変化球も今はカーブだけでいきます」。春季キャンプなどを経てコーチ陣と相談し、新球マスターを一時封印することを決めた様子。口調に迷いはなかった。

 この日の試合では全33球中、カーブが12球。そのうち5球がボール判定だったが、2年目の5番・小野寺をカーブで見逃し三振に斬るなど前記の言葉通りストライクゾーンにまとめられていた。許した1失点も、四球で出した走者を暴投とボークで三進させてからの適時打。打ち崩されたわけではない。「(カーブに)あまり反応しなかった人が多く、真っすぐを狙われているなと感じました」。本人が振り返った言葉だが、むしろ“2球種”でよく抑えた印象。確かな、そして大きな可能性を感じるデビュー登板だった。

 もちろん、今すぐにというわけではない。1軍マウンドはまだまだ、遠いところにある。1軍本拠地・京セラドーム大阪の初マウンドでもあったが「投げやすかったですね。結構(マウンドが)高かったです。ただ、あまり意識はしてなかったです。球場よりも、相手バッターのことを考えていました」。本人も冷静だった。

 今や山岡と並ぶチームの二本柱で球界を代表する右腕にまで成長した山本や、今季開幕ローテーションに定着している2年目の宮城など、球団に高卒ルーキー投手の「育成ノウハウ」の好例があるのも心強い。「やっぱり、練習より実戦の方が課題が見えてくるので良かったです」。ここから経験を積み上げ、階段を1つずつ上がってくるはずだ。

 今春の宮崎キャンプ。「体が変わってきていると思うので、この体に合わせてまたつくっていきたいです」。プロ入りからまだわずかな期間ながら、自身の変化を明かしてくれた表情は今後への期待に満ちたものだった。その際、プロの門をたたいたばかりだった右腕に、これまでの野球人生で一番、うれしかった思い出を尋ねた。

 「今のところは、この場にいられることですかね。野球を続けてきて本当に良かったなと思っています」

 ずっと目指してきたプロ野球選手になれているという喜び。あまりに初々しい答えに、心が温まった。1軍デビュー、初勝利、初完投、初完封、初優勝…そして、自らが掲げる2つの究極目標である最速165キロ突破と沢村賞。球速と同じく、野球人生の「最高の場面」も、ひとつずつ更新していく。

 (オリックス担当・宮崎 尚行)

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請