開業して間もなく2か月の畑端省吾調教師「誠意は馬にも伝わると思う」

鉄色の厩舎ジャンパーを着る畑端省吾調教師
鉄色の厩舎ジャンパーを着る畑端省吾調教師

 昨年12月に調教師試験に合格した畑端省吾調教師(39)=栗東=。通常は1年間、技術調教師として動き回るが、解散厩舎数との兼ね合いもあり、今春の「即開業」に。ここまでを振り返ってもらった。

 「今のところ、即開業して良かったなと思います。結局はやってみないと、1年経っても出来ないものは出来ないかなと」と充実した表情を見せる。2月末に解散した西浦厩舎、湯窪厩舎などから9人のスタッフが集結。年上ばかりで、新規調教師で一番苦労するだろうという話を、私も何人もの厩舎関係者から聞いていたが…。「みんなで団結して馬を作っていこうと思っていました。僕が指示していないのに、開業初日か2日目ぐらいから、他の担当者の馬を手伝って引き馬してくれたりするのを見て、感激しました。すごい協力的にやってくれてるなと。非常に雰囲気はいいです」とジョッキー一筋の畑端師。調教メニューの組み立て方や、厩舎作業に関しては先輩方に敬意を表する。

 自身の失敗から「誠意」を大切にする。騎手として酸いも甘いも経験した20代後半、調教をつけていたある馬に対して、「だめだろう」と先入観からサジを投げたことがあった。しばらくして他の人が調教を担当してから成績が上がり、「あ~、自分は怠けてた。諦めたらダメだなと」と猛省した。そういう経験を何回、いや何十回と繰り返してしまった。「なあなあで調教するのは良くないなと。どの馬に対しても諦めずに、誠意を持って調教しています。誠意は馬にも伝わると思います。僕がそういう姿勢でやることで、スタッフもそうやってくれていると思うので」

 昔から海外競馬を見るのが好きだ。18年には、日本調教師会主催の海外研修に参加し、アイルランドやイギリス・ニューマーケットに数週間滞在した。「よく馬がおとなしい、おとなしいと言うので。すごい勉強になりました。今度は自分の管理馬で行きたい」と目を輝かせる。

 厩舎カラーは「鉄」色。「亡くなった父が『畑端牧場』名義で、緑を基調にした勝負服で走らせていたんです。奥さんとも相談して、厩舎ジャンパーを作る際に『黒に近い緑』をオーダーしたら、この色を提案してくれました。スーツも作ったんです」。近い将来、鉄色のスーツを着たトレーナーが国内外を飛び回る日を楽しみに待ちたい。

(中央競馬担当・玉木 宏征)

 ◆畑端 省吾(はたばた・しょうご)1982年3月30日生まれ。39歳。北海道新ひだか町三石(旧三石町)出身。2000年3月に栗東・坂口正則厩舎から騎手デビューし、2020年末に引退するまでにJRA通算50勝。2021年3月20日に管理馬エスケイダンサーで初出走。初勝利は同28日の中京6Rゴーゴーレイワ。趣味は釣りだが、「調教師試験を受け出して、ここ5年ぐらい行けてません(苦笑い)」。日本酒が好きで「色々買って、毎日飲みます。滋賀のお酒がおいしいですね」。家族構成は妻と一男一女。

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

競馬

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請