【高校野球】プロ目指す三島南・前田銀治外野手「夏は勝ち取って甲子園に」…春季静岡県大会24日開幕

スポーツ報知
直球で押す三島南・前田

 春季高校野球県大会の組み合わせ抽選会が19日、静岡市内で行われた。地区予選を勝ち抜いた24校と今春センバツに出場した三島南を合わせた25校が参加し、24日に草薙球場などで開幕する。センバツ後初の公式戦を迎える三島南は25日の2回戦から登場し島田工(中部5位)―浜松開誠館(西部5位)の勝者と対戦。打っては通算24発、投げては最速143キロを誇る前田銀治外野手(3年)を軸に初の県制覇を目指す。上位8校が夏の県大会でシードされ、決勝進出の2校が5月20日開幕の東海大会(三重)に出場する。

 大舞台を踏んだ余韻は体に残っている。三島南は鳥取城北とのセンバツ1回戦は2―6で敗れたが、前田はもう少しで本塁打という右翼フェンス直撃の三塁打を含む2安打を放ち、マウンドでは自己最速を4キロ更新する143キロを記録した。

 「父が録画をダビングしてくれたのでずっと見ています。打ったボールは直球だと思っていたら、実際はスライダーだった。それぐらい集中してボールが見えていた」。チームは帰静後、1週間ほどオフを取り、3月27日から練習を再開。スカウトから高評価を受けているとのネットなどの記事を見て、心境に変化が出てきた。

 「プロに挑戦したいと思っている。(センバツで)きっかけを作れてよかった。今は育成指名でも行きたい」。すでに9球団から視察の申し出があったという。夢に近づくためにも、まずは今春、16年以来となる夏のシードを目指す。「一戦必勝で必ずシード権を取ります。夏は勝ち取って甲子園に行きたい」と力を込めた。

 初戦は島田工―浜松開誠館の勝者と対戦。全チームが“打倒・三南”を掲げ、重圧がかかることは間違いないが「ワクワクしてます。天狗、慢心にならないようにしたい」と自分に言い聞かせるように話した。勝ち上がれば昨秋県大会で4打数無安打に封じられた静高・高須や掛川西・沢山ら同じくプロ注目投手とマッチアップの可能性もある。3月28日の伊東との変則練習試合で2発放り込むなど通算24発だが、公式戦ではいまだノーアーチ。「1球1球真剣勝負していきたい」と、初陣から豪打を見せていく。(武藤 瑞基)

 〇…三島南は今大会でセンバツ時からメンバーを大幅に“シャッフル”して戦う可能性が高そうだ。外野手だった伊藤侍玄主将(3年)が三塁手、三塁手だった小堂湧貴(3年)が二塁手に転向するなど、コンバートや選手の入れ替えを敢行。稲木恵介監督(41)は「夏に向けて1人2ポジションこなせるようにしたい。うちは力があるわけじゃないし、少しでも戦力を増やしてみんなで戦います」と強調した。

 

◆春季県大会展望

プロ注目左腕・沢山優介(3年)、安定感抜群の右腕・榊原遼太郎(3年)の“ダブルエース”を要する掛川西と、同じくプロ注目の191センチ右腕・高須大雅(3年)がいる静岡が優勝候補。東部王者の加藤学園は昨夏甲子園交流試合に出場した主力が複数おり、投打にバランスが取れている。三島南はセンバツの経験を生かせるか。昨秋県覇者の藤枝明誠はエース左腕・小林輝(3年)の出来が鍵を握る。140キロ右腕・鈴木豪太(3年)を要する東海大静岡翔洋も投打ともに充実した戦力を誇る。

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