【ソフトバンク】上林誠知の熱き思い マスターズVの松山英樹のように東北にエールを届ける活躍を

ソフトバンク・上林誠知
ソフトバンク・上林誠知

 日本中を熱狂させた松山英樹のマスターズ優勝。アジア人、日本人初の快挙を見届けようと、寝不足になった人も多いと思うが、記者もそのひとり。東日本大震災から10年。東北福祉大出身の松山は、東北への思いを口にしていたが、仙台育英高で3年間を過ごしたソフトバンク・上林誠知外野手(25)も今年を特別な1年に位置付けている。

 高校入学直前の中学3年生の時、埼玉で強い揺れに見舞われた。入学式が1か月遅れ、仙台に向かう道中の高速道路からの風景が、入学試験時とは一変。授業も仮設のプレハブで受けた時期もあった。「野球をしていていいのだろうか」。だが周囲の支えもあり、2年夏から3季連続で甲子園に出場。「東北初の全国優勝」で、恩返ししたかったが、その夢をかなえることはできなかった。

 「復興に携わりたい気持ちは今でもある。しっかりとした活躍をした上で、今後、東北の復興に何か手伝えることがあればやっていきたい」。昨年までチームメートだったヤクルト・内川に付き添い、福島での野球教室に参加したこともある。プロで活躍し、東北に明るいニュースを届けることが目標でもある。

 17年に13本塁打、18年に22本塁打と定位置をつかみ取ったが、右手骨折などもあり、成績が下降。今年1月にはレッズ・秋山に師事。キャンプから猛アピールを続けたが、1学年下の栗原との右翼手争いに負け、開幕を2軍で迎えた。もともと自分を追い込むタイプだが「自分に優しく」を今年のテーマにしている。10年以上も前の話になるが、東北福祉大1年時にアマチュアにもかかわらず優勝争いしたゴルフ日本オープンなどで松山英樹を取材した経験がある。言葉数はそれほど多くないが、自らにストイックで、芯の通った青年だと感じたことを記憶している。ルーキー時代から上林を取材しているが、どこか似たような雰囲気の持ち主でもある。

 今はファームでレギュラー再奪取、そしてその先すら見据え汗を流している。「みんなが驚くような数字を残したい」ときっぱりと言い切る。走守はチームでもトップクラスで、打撃でも「トリプルスリー」を狙えるポテンシャルを秘めた選手。松山もマスターズVまで、3年以上も優勝から遠ざかった。我慢の時を経て、上林にも大輪の花を咲かせてもらいたい。

(記者コラム・戸田 和彦)

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