34歳競輪オールドルーキー近藤武寿、養成所70人中70位から”人生まくる”

34歳のオールドルーキー・近藤が5月1日に地元でプロデビューを果たす
34歳のオールドルーキー・近藤が5月1日に地元でプロデビューを果たす
バンクで汗を流す近藤
バンクで汗を流す近藤

 オールドルーキーが、プロレーサーの世界に飛び込む。今春、競輪選手養成所を卒業した藤枝市出身の近藤武寿(34)が、新天地で飛躍を誓う。静清工高(現静清)卒業後に一度は就職したが、すぐに退職。インストラクターなどで生計を立てていた男が、30歳を過ぎて一念発起した。34歳の新人が、来月1日に地元・静岡競輪場で行われるルーキーシリーズでデビューを果たす。

 オールドルーキーの挑戦が、始まる。34歳の近藤が、プロ競輪選手として来月1日に地元・静岡でデビュー戦を迎える。「頑張るだけです」。競輪選手養成所の在所成績は70人中70位。「高校時代に、ママチャリに乗っていたけど、本格的にレーサーに乗ったのは養成所に入る直前でした」という“どん尻”男が、厳しい世界に飛び込む。

 一風変わった経歴の持ち主だ。静清工高ではハンドボールにのめり込んだ。卒業後に一度は就職したが、「何か違う」と半年で退社。その後、「体を動かす仕事に関わりたい」と、名古屋でインストラクターの資格を取るため専門学校に通った。21歳でハンドボールへの未練が高まり、AO入試で名古屋文理大に進んで、競技を再開。「卒業時には実業団から誘いがあったけど、両足の捻挫ぐせがあったのであきらめた」。20代半ばで藤枝に戻り、フリーのインストラクターで生計を立てながら鍼灸(しんきゅう)の専門学校にも通った。

 転機は32歳の時だった。「サポートする立場ではなく、自分でも活躍する方に回りたい」。そんな時、知人から30歳を過ぎてもプロレーサーに挑戦出来ることを聞いた。すぐに受験用紙を取り寄せた。持ち前の運動能力を生かして、自転車競技未経験者が対象となる適性受験で一発合格した。

 養成所では最年長。高卒選手とは16歳も年が離れ、「おやっさん」と呼ばれた。「大学でも年下ばかりだったので、免疫はありました」。自転車経験がない分、実戦訓練では苦労が絶えなかったが、セッティングなど分からないことは年下の同期たちに聞きまくった。

 江戸時代の剣術家・宮本武蔵の名言「千日の稽古を鍛(たん)とし、万日の稽古を錬(れん)とす」が座右の銘。「千日=約3年」は、継続することの大切さを説いた言葉だ。「年は言い訳にしたくない。とにかく、3年はがむしゃらに練習して選手としての土台を作りたい」。有名な剣豪の名言を胸に、34歳の新人がバンクで羽ばたく。(塩沢 武士)

 

 

 

◆競輪選手になるには 日本競輪選手養成所に入所し、基本的には5月から翌年3月までの10か月間、全寮制で生活し、卒業後、プロレーサーとしてデビューする。年に1回入学試験が行われ、一般入試と特別選抜入試の2種類がある。特別選抜入試は、世界規模の自転車レースや五輪の個人種目で優秀な成績を収めた選手が対象となる。一般入試には、自転車競技経験者対象の技能試験と未経験者対象の適性試験があり、適性試験の1次は背筋力、垂直跳びと基礎運動能力を測定して合否を決める。2次は、人物考査などのほか台上走行試験装置で速度などを測定する。

◆競輪界の年長デビューメモ 男子では、2012年に100期の村木亮(静岡)が、38歳でデビューしたのが最年長。ガールズレーサーでは、2012年7月に平塚競輪場で高松美代子(神奈川)が、50歳でデビューしている。

◆近藤 武寿(こんどう・たけひさ)1986年11月30日、藤枝市生まれ。34歳。藤枝中から静清工高に進学。高校ではハンドボール部に所属した。32歳で競輪に挑戦。一発で養成所の試験に合格。175・8センチ、83キロ。血液型B。独身。

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