◆東都大学野球春季リーグ戦第3週第1日 ▽中大9―4青学大(12日・神宮)
青学大は、デビューから2試合連続本塁打を放っていたスーパー1年生・佐々木泰(県岐阜商)が「5番・三塁」で出場。3戦連続アーチはならなかったが、広角に2安打をマーク。外野フェンス手前への大飛球を放つなど、スラッガーとしての高いポテンシャルにネット裏のスカウト陣からは絶賛の声が相次いだ。
内容のある打席を4度続けた。1点を追う2回1死からの第1打席では、追い込まれてからの外角直球をきれいに右前へ。この回一挙3点の逆転劇を演出すると、1点差に迫られて迎えた4回先頭では、変化球を3つ続けられた後の直球を狙い打ち。低い弾道で中堅左に運ぶと、あまりの打球の速さに相手の中堅手が追いつけず、左中間突破の二塁打に。後続の犠飛で4点目のホームを踏んだ。
1点を追う6回先頭の第3打席では、スライダーを捉えると高々と舞い上がった飛球がなかなか落ちてこない。左翼手がじりじりと後退し、左翼フェンスの手前でようやく捕球した。続く8回1死一、二塁で迎えた第4打席は、低めの変化球に崩されかけながらもバットの芯で捉え、左中間最深部への大きな飛球にした。
失点に絡む自らの失策もあって試合に敗れたとあり、「ああいう状況でエラーをするのは自分の気持ちの弱さ。精神面を鍛えていかないといけない」と反省の弁が口をついたが、スカウト陣はそろって驚きの声を上げていた。
ロッテ・永野プロ・アマスカウト部長は「素晴らしいね。ボールに対する反応がよく、思い切りよく振れている」と言えば、DeNA・河原スカウティングディレクターは「凡打も含め、全打席の内容がいい。あれだけ高く上がる外野フライはなかなか見ることができない。足も速いし、3年後が楽しみ」。青学大OBの巨人・榑松アマスカウト統括は「吉田正尚になれるかもしれない」と、こちらも青学大OBのスラッガー、吉田正クラスのバッターになる可能性を感じ取っていた。