【ヤクルト】奥川恭伸、5回5失点も待望プロ1勝 雷雨54分中断耐えた 打線も大量11点援護

プロ初勝利を挙げ、笑顔の奥川恭伸と祝福する高津臣吾監督(カメラ・相川 和寛)
プロ初勝利を挙げ、笑顔の奥川恭伸と祝福する高津臣吾監督(カメラ・相川 和寛)

◆JERAセ・リーグ ヤクルト11―7広島(8日・神宮)

 初勝利の味は、少しほろ苦かった。プロ初のお立ち台に上がった奥川恭伸の笑顔は、少しだけ申し訳なさそうに見えた。プロ3度目の先発は、昨年11月10日のデビュー戦で3回途中5失点を喫した因縁の広島戦。初回に4点を失ったが2回以降は立ち直り、味方の大量援護を受けて5回5失点で白星をつかんだ。「打者の皆さんに感謝しかない。勝たせてもらえて本当にありがたい」と感謝した。

 大舞台に強いイメージとは裏腹に、登板直前にはネガティブな感情を抱くタイプ。星稜高時代、準Vに輝いた19年夏の甲子園でも、3回戦の智弁和歌山戦前には仲間の前で「ダメだ。今日は打たれる。智弁はさすがに無理」などと漏らしたが、延長14回23奪三振の好投で勝利。同校・林監督の「緊張している人?」という問いに一人だけ手を上げることもあったという。しかし全ては負の感情を受け止めて、乗り越えるためのプロセス。マウンドに立てば関係なかった。

 気持ちを切り替えられる強さ―。それはこの日も生きた。序盤に崩れ、2回表からは雷雨により54分間の中断も強いられた。ナインからの「ここからだぞ」というゲキを受け止めながら、右腕は冷静に気持ちを立て直した。「もう一度先発するという気持ちでいこう。もう一回ゲームをつくり直せるように」。投球時に胸付近に置いていたグラブの位置を中断後はベルト付近に変更。「少しずつ腕が振れるフォームになってきた」と2回以降は1点に封じた。

 記念球は「両親に届けたい」と照れくさそうにはにかんだ。今後は登板間隔を空けるため、一度出場選手登録を抹消される見通し。「今日は勝たせてもらった。今度は自分の力でチームを勝たせられるような投手になれるように」。悔しさとうれしさが入り交じった初勝利。心に残った“借り”は、長い野球人生で返していけばいい。(小島 和之)

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