◆女子サッカー国際親善試合 日本代表7―0パラグアイ代表(8日・ユアテックスタジアム仙台)
なでしこジャパンは1年ぶりの試合となったが、岩渕と菅沢の2トップは、お互いに相手がやりたいことがよく分かっていた。菅沢はターゲットになり、岩渕は自由に動く。縦の関係にも横の関係にもなり、パラグアイDF陣を圧倒した。
特に岩渕の好調さが際立った。コンディションが良く、ドリブルにキレがあった。チームの2点目を決めた後、喜ぶこともなく「もっとやらなければ」と引き締まった表情を見せていた。エースとしての自覚を感じた。
成長を感じた選手は杉田だ。運動量が豊富で質の高いパスを出す能力を持っているが、これまで代表チームでは空回りすることが多かった。それが、きょうは落ち着いてプレーし、本来の良さを出していた。途中出場の籾木も存在感が光った。正確な技術があり、ゴール前で冷静なので決定力が高い。高倉監督にとって計算できる選手だ。
ダイレクトパスでボールを動かし、スルーパスで相手DFの裏を取った。7得点を奪ったが、もっとフィニッシュの精度を上げる必要がある。五輪で金メダル獲得を期待するからこそ、あえて厳しい提言をしたい。(元日本女子代表FW、ATSサッカークラブ代表)