伏兵・武良竜也、初五輪「思い描いたレースができた」24歳苦労人が同期・渡辺一平を逆転

男子200メートル平泳ぎ2位で五輪代表に内定した武良(右)は、優勝した佐藤と握手し喜んだ(カメラ・竜田 卓)
男子200メートル平泳ぎ2位で五輪代表に内定した武良(右)は、優勝した佐藤と握手し喜んだ(カメラ・竜田 卓)

◆競泳 日本選手権兼東京五輪代表選考会 第5日(7日、東京アクアティクスセンター)

 2強の一騎打ちとみられた男子200メートル平泳ぎで、伏兵が割って入った。武良竜也(24)=BWS=は同期の渡辺一平(24)=トヨタ自動車=より0秒72速くゴール板にタッチすると、1位の佐藤翔馬(20)=東京SC=の右手をがっちり握った。「今年1年は苦労を重ねてきて、五輪を目指して、出たら何か変わるんじゃないかと思っていた。こうして決められてうれしい」。初の五輪切符の喜びをかみしめた。

 決勝は両隣に佐藤、渡辺と世界トップレベルの2人に挟まれた。重圧のかかる状況だったが「真ん中で泳ぎたかった。両方見られるので」と燃えた。藤森善弘コーチと立てたレースプランは、中盤まで渡辺に食らいつき、残り25メートルでの勝負。その狙い通り、150メートル時点で0秒28差と僅差につけ、終盤にギアを上げて逆転。「150メートルまでついていったら、抜けると思っていた。思い描いたレースができた」と胸を張った。

 ちょうど1年前、どん底を味わった。昨年3月末に所属先との契約が終了。50社以上に売り込んで所属先を探したが、コロナ禍も影響して見つからず、練習できない時期もあった。日体大時代に指導を受けた藤森コーチに声をかけられ、練習を再開すると「改めて水泳ができる環境がありがたく感じ、水泳を本当に楽しめた」。昨年12月の日本選手権で自己記録を1秒半も更新した。もともとは8年前の国体で渡辺を抑えて優勝した実力者。早熟かと思われた才能が、競技に取り組む気持ちの変化で開花した。

 ただ、藤森コーチも当初は23年世界水泳を目標に据えていたという。「もう感無量、奇跡かなって。腰が抜けてます」と目を丸くした。24歳の苦労人は「この1年、支えてくれる人、応援してくれる人を肌で感じてきた。関わってくれた人たち、ありがとうございました」と頭を下げた。感謝の思いを力に、佐藤とともにメダルを取りにいく。(林 直史)

 ◆武良 竜也(むら・りゅうや)1996年7月3日、鳥取県生まれ。24歳。兄姉の影響で、5歳で競技を始める。米子市立加茂中、米子北高を経て、日体大へ進学。2017年台北ユニバーシアード代表。173センチ、70キロ。

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