奨励会を退会した将棋の西山朋佳女王が女流棋士デビュー戦を終え、心境語る「ひとつずつ恩返しを」

スポーツ報知
女流棋士としての第一歩を刻んだ西山朋佳女王

 将棋の第14期マイナビ女子オープン五番勝負第1局・西山朋佳女王(25)=女流王座、女流王将=対伊藤沙恵女流三段(27)戦が6日、神奈川県秦野市の旅館「陣屋」で行われ、後手の挑戦者・伊藤女流三段が152手で勝ち、初タイトル獲得に向けて好スタートを切った。

 今月1日付で棋士養成機関「奨励会」を退会して女流棋士に転向した西山女王にとって、女流棋士としてのデビュー戦。いきなりタイトル戦の大舞台となった初陣は形勢不明のまま終盤戦が続く激闘となったが、伊藤女流三段の粘り強い指し回しに屈した。

 感想戦終了後、取材の機会が設けられ、西山女王が奨励会退会と女流棋士転向の思いを語った。

 以下、質疑応答。

 ―女流棋士としてのデビュー戦を終えて。

 「自分で宣言をして、女流棋士として初めての対局だったので、どうなるのかなと思っていましたけど、何も変わることはありませんでした。奨励会の時に課題だった負け方をしてしまって…。もしかしたら一局を通して一度も良いところがなかったのかもしれません。ふと『見ている方はどういうふうに思っているんだろう』と考えることもありました」

 ―整理の付いた気持ちで臨めたのか、まだどこか心残りもあるのでしょうか。

 「奨励会員としてやれることはやれたと思っていますので、今後も後悔はしないと思います」

 ―期待を掛けられ、重圧もあったのでは。

 「いえ、本当にありがたくて、応援して下さる方がいなかったら(三段リーグを)10期もやれていなかったと思います。本当に親身になって応援して下さいました」

 ―決断について、周囲の反応は。

 「師匠(伊藤博文七段)からは『好きな道を』と言っていただきました。発表前に(棋士や女流棋士)何人かにお話しましたけど、あまり引き留められなかったです」

 ―ファンからは「まだリーグを指せたのに…」という声もあります。

 「ずっと思っていたことなんです。今、いろんなことが重なって。(奨励会在籍の年齢制限まで)あと1期になったから(決断した)ということではないんです」

 ―一般公式戦で勝ち進んで規定を満たして、棋士編入試験を受験して四段(棋士)を目指す道もある。

 「全然考えられません。奨励会時代も公式戦で1勝できるだけで幸運だと思っていました。もし(資格を)満たすようなことがあれば、周りとも相談して考えたいとは思いますけど…」

 ―現在、里見香奈女流四冠と2人で女流七大タイトルを独占している。今までは3棋戦しか参加資格がなかったが、今後は全棋戦に参加する。本当の覇権争いが始まります。

 「いえ、タイトル戦を何度か続けるにつれて、もっと里見さんのすごさを知るようになりました。(タイトル獲得通算)43期はすさまじいな…と感じながら番勝負をやっています。自分とは大きな部分で…例えば安定感で相当な違いがあると思います。今のままでは今後もタイトルに絡んでいくことは不可能だと思っているので、いかにこれから自分が頑張れるかに懸かっていると思います」

 ―女流棋士としての目標は。

 「第一線にはいたいと思いますし、普及の面でも、奨励会時代はどうしてもお仕事のご依頼を下さっても遠慮させていただいていたので、今後は私にやれることがあればやらせていただきたいです。お世話になってきた方々にひとつずつ、出来る限りの恩返しをしていきたいです。もし…奨励会を目指す女の子が現れたりしたなら、私がいちばんアドバイスをできると思うので。楽しみにしています」

 ―想いはもう未来に向いている。

 「でも…ずっとこびりついているものもあります。奨励会(三段リーグ)の次の日程は4月17日なんだって、ずっと考えちゃうんです。そういう思いが無くなったら、私は女流棋士としてやっていけるのかな、と思います」

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