日本競歩界で初銅メダル・谷井孝行氏、代表7人の魅力を語った

鈴木雄介
鈴木雄介

 東京五輪の陸上競技でメダルラッシュが期待されるのが、日本競歩勢だ。直近の2019年ドーハ世界陸上で、男子は20キロの山西利和(25)=愛知製鋼=、50キロの鈴木雄介(33)=富士通=が金メダルを独占。女子も2選手が入賞を果たした。15年北京世陸50キロで、日本競歩界で初の世界大会表彰台となる銅メダルに輝いたスポーツ報知評論家の谷井孝行氏(38)=自衛隊コーチ=が強化の歩み、自国開催の本大会への期待感、そして五輪内定7選手の魅力を語り尽くした。(取材・構成=細野 友司)

 ◆男子50キロ・鈴木雄介(33)富士通=19年ドーハ世陸金

 美しい歩型は、世界に通じる武器です。上下動がない状態で推進力を得て進めるので、警告もとられにくい動き。フォームに対して自信を持っているからこそ、いつ先頭に出ても勝負を仕掛けられるし、そこが彼の魅力だと思います。20キロで世界記録を持つなど豊富な戦歴に加え、股関節など大きな故障も乗り越えてきました。周囲の支えを復帰につなげた経験ができたことも、今の彼の強みでしょう。

 ◆男子50キロ・川野将虎(22)旭化成=19年全日本高畠大会優勝

  • 川野将虎
  • 川野将虎

 一番の魅力は、自分を追い込めること。体力的にきつい場面でも耐え切ってスピードを保ち、勝負を仕掛けられる。持っている力を全てレースに発揮し、最後の最後まで削り出せる歩きができる選手です。五輪は夏の大会で、札幌といっても暑さはありますから、粘り強さや力強さは後半に絶対生きてくる。そこを武器にしてレースを組み立てられれば、良い結果がついてくるのではないでしょうか。

 ◆男子20キロ・山西利和(25)愛知製鋼=19年ドーハ世陸金=

  • 山西利和
  • 山西利和

 考える能力が非常に高い。皆が考えているその先まで、考えているような選手。自分自身が勝つための戦略を立てて、実行するには何をすべきか、練習の時から落とし込めている。どうしたら自分が先頭でゴールできるか、考えながらレースできていますね。相手の出方を見て、消耗した時に一気に仕留められる。東京五輪のような暑熱下の世界大会では、特に戦略が生きてくる場面も多いと感じます。

 ◆男子20キロ・高橋英輝(28)富士通=19年ドーハ世陸10位=

  • 高橋英輝
  • 高橋英輝

 強みは最後のキレ。ラスト数百メートルでのスピードは、誰しもが脅威に思っているのではないでしょうか。歩型に関して、以前はロス・オブ・コンタクトをとられがちな、上に力が行くような歩きでしたが、かなり修正された印象。あとは修正した中で持ち味のスピードをどう生かすか。力は誰もが認めているので、国際舞台でも冷静に、今持っている力を出し切るという意識で歩ければいいと思います。

 ◆男子20キロ・池田尚希(22)旭化成=19年ドーハ世陸6位=

  • 池田向希(代表撮影)
  • 池田向希(代表撮影)

 ハイペースで押していく力を持っている。いわゆるスピード持久力の高さはピカイチですね。歩型が整っている時は、脚を低く振り出せて軸がしっかりした動きができています。限られた時間の中で自分を向上させるような練習への集中力も高く、オンとオフの切り替えもしっかりしているという印象を持ちます。持久、スピード、フォームが全て高いレベルにあって楽しみな選手です。

 ◆女子20キロ・岡田久美子(29)ビックカメラ=19年ドーハ世陸6位=

  • 岡田久美子
  • 岡田久美子

 高校生の頃から有名な選手で、さまざまな経験を積んで円熟期を迎えた感じがします。動きも上下動がなく落ち着いているし、自分自身がどういうふうに強くなっていくか、方向性をしっかり持っていると思う。自分自身がイメージするレース展開を、実際に表現できていますね。藤井選手が台頭して刺激をもらって、競争の激しい男子と同じように、相乗効果を得ていると思います。

 ◆女子20キロ・藤井奈々子(21)エディオン=19年ドーハ世陸7位=

  • 藤井菜々子
  • 藤井菜々子

 競技への考え方や、自分自身がどうしたいかという考え方が非常にしっかりしています。手足が長いのも武器。脚の振り出しがすごくきれいなので、膝が伸びる瞬間がしっかり見えて歩型の印象がいいですね。発展途上で伸びしろを感じさせますし、東京五輪のみならず、24年パリ五輪も見据えて力を伸ばしていける選手。いずれ日本女子陸上界を背負って立つ存在になるかもしれません。

 ◆男子50キロ残り1枠11日一発勝負…全日本輪島大会

 五輪男子50キロ代表の残り1枠を争う最終選考会の全日本輪島大会(石川・輪島市)が、11日に開催される。期間内に派遣設定記録(3時間45分2秒)を満たすことを条件に、内定者以外の日本人最上位者が代表権を獲得。文字通り一発勝負になる。17年ロンドン世陸代表の丸尾知司(29)=愛知製鋼=がV候補。リオ五輪銅、ロンドン世陸銀と2度の世界表彰台経験を持つ荒井広宙(32)=富士通=も、豊富な経験を武器に優勝争いに加わりそうだ。

 女子は20キロの特別レースが行われる。同種目の五輪代表枠は残り1。2月の日本選手権で3位に入った渕瀬真寿美(34)=建装工業=が派遣設定記録(1時間30分0秒)を突破すれば内定を得られ、日本代表が勢ぞろいする可能性がある。

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