【高校野球】センバツ準Vの明豊は川崎監督の「見返す力」で成長

東海大相模に敗れ、肩を落とす明豊ナイン(右から2人目は川崎絢平監督)
東海大相模に敗れ、肩を落とす明豊ナイン(右から2人目は川崎絢平監督)

 第93回センバツ高校野球は、東海大相模(神奈川)の優勝で幕を閉じた。準優勝は明豊(大分)。2017年夏8強、2019年春4強と実績を重ねてきた川崎絢平監督(42)が試合後に発した言葉が印象に残っている。「今度は2つ階段を上がって優勝したかったが、1つずつしか上がれないのだな、と」

 川崎監督は、2012年8月に就任。短い年月で、明豊を全国で有数の実力校に育て上げた。智弁和歌山の出身で、1年だった1997年夏の甲子園で優勝した経歴を持つ。当時の監督は高嶋仁氏(現在は同校の名誉監督)。高校時代に身に付けたものの一つに「見返す力」を挙げる。

 「智弁和歌山は、すごくハードな練習をしていました。心が折れそうになった時、最初は弱気になる自分がいましたが、どこかを境に『やったる、見とけや』『やったら文句ないんやろ』と思えるようになりました。『失敗したらどうしよう』ではなく、そのような気持ちを育ててもらいました」

 甲子園での川崎監督の采配は、惨敗から始まった。就任4年目の2011年夏。仙台育英(宮城)に1―12と大差をつけられた。「これで終わるようじゃ情けないと、強く思いました。以来、甲子園で勝つにはどうしたらいいか、と念頭に置くようになりました」。屈辱をバネに2年後の夏に戻ってくると、以下の通り素晴らしい結果を残してきた。

【川崎監督の甲子園成績】

15夏〈1〉 ●1―12仙台育英(宮城)

17夏〈2〉 〇7―6坂井(福井)

   〈3〉 〇9x―8(12)神村学園(鹿児島)

   準々 ●9―13天理(奈良)

19春〈1〉 〇13―5横浜(神奈川)

   〈2〉 〇2―1札幌大谷(北海道)

   準々 〇1x―0(11)龍谷大平安(京都)

   準決 ●4―6習志野(千葉)

21春〈1〉 〇10x―9(12)東播磨(兵庫)

   〈2〉 〇2―1市和歌山(和歌山)

   準々 〇6―4智弁学園(奈良)

   準決 〇5―4中京大中京(愛知)

   決勝 ●2―3x東海大相模(神奈川)

※〈数字〉は回戦。(数字)は延長戦のイニング数。

 恩師の高嶋氏は、甲子園で監督として最多の68勝(35敗)を挙げたレジェンド。それでも決勝に駒を進めたのは、智弁学園(1972~78年)を経て80年に智弁和歌山の監督となって15年目の1994年夏(優勝)だった。試合数に大差はあるものの、6割9分2厘(9勝4敗)という勝率も、高嶋氏の6割6分0厘を上回っている。

 初めて経験する閉会式を終えた川崎監督は「この敗戦を、どうやって夏に向けていこうかと考えながら見ていました」と話した。センバツの終わりとともにスタートした夏への戦い。「見返す力」を原動力に、頂点を目指す。

(記者コラム・浜木 俊介)

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