元サッカー日本女子代表FW大竹七未さんが神戸市のATSサッカークラブの代表に就任 シングルマザーの夢語る

スポーツ報知
ATSサッカークラブの代表に就任した元日本女子代表FW大竹七未さん(奥中央)

 元サッカー日本女子代表FWの大竹七未さん(46)が神戸市を拠点とする「ATSサッカークラブ」の代表に就任したことが5日、分かった。男子中学生を対象したジュニアユースのコーチも兼務する。

 日本女子代表として国際Aマッチ46試合出場29得点の実績を持ち、現在は独自の視線で解説者として活躍する大竹さんが新たな挑戦をスタートさせた。ATSサッカークラブで代表を務めながらコーチとして若年層の選手育成に尽力する。「高校年代、さらに上のカテゴリーでも活躍できる選手の育成を目指しています。しっかりとした技術を教えられる女性コーチはまだまだ少ない。今後、女性の指導者がもっと増えるように先駆者のひとりとして頑張りたい」と力強く抱負を明かした。

 大竹さんにはサッカーを通じた個人的な“夢”もある。長男・柊杜(しゅうと)くん(5)と共に「親子で日本一」になることだ。「数年後にはATSに小学生チームもつくる予定です。そのチームで柊杜と一緒に全国大会、そして、日本一を目指すことが私の夢です」と大竹さんは笑顔で話した。昨年夏、元Jリーガーと離婚したが、大竹さんはシングルマザーとなって、さらにパワフルに活動する。「柊杜はサッカーが大好きだから、楽しく、そして、真剣に教えています。『やっぱり、ママはすごい』と思ってもらいたいから、時には全力のプレーを見せますよ」と充実した表情で語った。

 「親子で日本一」という大竹さんの個人的な目標は、女性指導者の可能性を広げることにもなる。

 「子供が小さい時は女性が指導現場に立つことは現実的に無理と思い、いつも、悩んでいました。でも、子供がサッカーをやりたい、と言って、応援するようになった時に気がついたんです。自分がコーチになれば、一緒にいられる時間ができて、指導者もできる。今までにないスタイルを確立できれば、後に続く女性指導者の選択肢の幅を広げられると思うんです。もちろん、それは子供がサッカーをやりたいという意志が大前提になります。女子サッカーの新しいイメージをつくりたい」。大竹さんは目を輝かせて力説した。

 現在、なでしこジャパンは国際親善試合のパラグアイ戦(8日)、パナマ戦(11日)に向けて活動中。世界トップクラスとなった、なでしこジャパンの礎を築いたひとりの大竹さんもATSの代表として日々、奮闘している。女子サッカー解説の第一人者。ATSの代表&コーチ。愛息の個人コーチ、そして、母。何役もこなす大竹さんの活躍が注目される。

 ◆大竹 七未(おおたけ・なみ)1974年7月30日、東京・町田市生まれ。46歳。双子の妹の夕魅さんと共に小学生からサッカーを始める。13歳で名門の読売日本SCベレーザ(現日テレ・ベレーザ)に入団。技術とスピードを兼ね備えたFWとして活躍し、Lリーグで初めて100得点を記録(通算157試合出場、104得点)。93年に日本女子代表入り。95年と99年の女子W杯、96年アトランタ五輪に出場。国際Aマッチ通算46試合出場29得点(実際は30得点で今後、公式記録が修正される見込み)。2001年に現役引退。

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