女子400メートル個人メドレーで、19年世界水泳銅メダルの大橋悠依(25)=イトマン東進=が4分35秒14で派遣標準記録(4分38秒53)を切って優勝し、初の五輪切符を獲得した。「前回のリオの選考会は3位で、次の年から活躍することができていたので、すごく自信をもってここに挑めた。純粋に五輪選手になれることはすごくうれしい。しっかり夏の本番で自分の力を出せるように強化していきたい」と笑顔を見せた。
17年の日本選手権で個人メドレー2冠に輝くと、その夏の世界水泳の200メートル個メで銀メダルをゲット。一躍東京のメダル候補に浮上したが、その競泳人生は山あり谷あり。どちらかと言えば試練の方が多かった。
小学3年で初めて出たジュニアオリンピック。50メートル背泳ぎでは196人中152位。楽しみは順位ではなく、大会後のディズニーランドだった。
重度の貧血に苦しんでいた15年の日本選手権では200個メで40人中40位に終わった。
16年リオ五輪の代表選考会は3位に食い込むも、派遣標準も知らない「別世界の話」だった。
19年の世界水泳では、200個メで泳法違反によるまさかの失格を味わった。
そして、金メダルの有力候補として臨むはずだった昨年の五輪は延期になった。
「17年も19年も世界選手権でメダルをとっているけど、周りの人からもまだ五輪に出ていないんだって感じがあって。早く出たいなっていうのがあった」
大学1年のときに左膝蓋骨を脱臼した後遺症があり、体の左右のバランスを整えることにも腐心してきた。連覇した17、18年の日本選手権の自身の泳ぎの映像を見て、イメージトレーニングも行ってきた。
次は200メートル個人メドレーでの優勝を狙う。「明後日から200の個人メドレーが始まる。ライバルが多いし、混戦になるが、自分がやってきたことを出して、200メートルの方は自信があるので、ベストを目指してがんばりたい」と意気込みを語った。