将棋の西山朋佳三段が奨励会退会、女流棋士転向「期待は重圧ではなく、力になりました」と感謝

スポーツ報知
西山朋佳三段

 将棋の棋士を目指して養成機関「奨励会」の最高段に在籍していた西山朋佳三段(25)=女王、女流王座、女流王将=が1日、奨励会の退会と女流棋士への転向を表明した。退会届を一両日中に日本将棋連盟に提出し、4月1日付で女流三段になる見込みだ。

 将棋のプロは、性別を問わない「棋士」と女性のみの「女流棋士」に制度が分かれている。棋士になる権利は原則、奨励会の三段リーグを突破して四段に昇段した者に与えられる。蛸島彰子女流六段(75)=引退=が入会した1961年からの60年間、20人の女性が在籍(3人が在籍中)してきたが、四段に昇段した例はなく、西山三段は常に「女性として初の棋士」の期待を集めていた。

 西山三段は2010年に奨励会入会。15年には三段に昇段し、三段リーグに10期在籍してきた。8期目の2019年10月~昨年3月の第66回リーグでは通常の昇段ラインを超える14勝4敗の好成績を残したが、惜しくも次点(3位)だった。在籍の年齢制限は原則26歳まで(注・当該リーグで勝ち越し、つまり10勝8敗以上の成績を残し続ければ30歳まで在籍が可能)と決まっており、今年6月に26歳の誕生日を迎える西山三段は今月開幕の第69回リーグが最後の機会になる可能性もあった。

 西山三段は、スポーツ報知の取材に対し「退会する時期は1年前に次点を取った時からずっと考えてきました。いろいろな要素を考え、今のタイミングに決めました」と思いを明かした。ファンやメディアから「女性初棋士」の期待を受け続けたことについては「私にとって、とてもありがたいことでした。重圧ではなく、力になりました。力に変えて頑張って来ることができました」と感謝の言葉も述べた。三段リーグで戦った6年間について「プロ(四段)になる水準を一時は満たせたという思いもあります」と振り返った。

 もう一度の次点獲得で四段昇段の権利を得られる一般公式戦で敗れたこと、防衛戦となるマイナビ女子オープン五番勝負が6日から開幕することなどは理由ではないとし「25歳での退会はずっと決めていたことです」と説明。周囲に相談すると翻意するよう説得されたというが、思いは変わらなかった。将棋界における節目である新年度を迎え、決断した。

 西山三段は現在、奨励会員にも参加資格がある女流3棋戦(マイナビ女子オープン、女流王座戦、女流王将戦)の全てでタイトルを保持している。やはり奨励会三段に在籍したものの年齢制限で退会した里見香奈女流名人(29)=清麗、女流王位、倉敷藤花=との2人で女流7大タイトルを独占しており、西山三段の転向は女流棋界にとって大きな出来事になる。

 女流棋士となる今後について「今までと変わらず、一局を大切に指していきたいです。私が頑張ることで、少しでも女流棋界が発展できるようにお力添えできたらと思っております」と未来を見据えていた。

 ◆西山 朋佳(にしやま・ともか)1995年6月27日、大阪府大阪狭山市生まれ。25歳。伊藤博文七段門下。5歳で将棋を始める。2010年、関西奨励会入会。14年1月に初段、同9月に二段、15年12月に三段昇段。18年、マイナビ女子オープンで初タイトルの女王を獲得。19年はいずれも里見香奈を相手に女王防衛、女流王座と女流王将を連続奪取。豪快な攻めを持ち味とする振り飛車党。姉の静佳さん(28)は囲碁棋士初段。

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