沢村忠さん評伝…昭和のスーパースター、228KO、年間平均20戦の「鉄人」

04年、長女の白羽玲子さんとイベントに出席した沢村忠さん
04年、長女の白羽玲子さんとイベントに出席した沢村忠さん

 昭和プロスポーツ史を代表するスーパースターで、「キックの鬼」の愛称で親しまれた元キックボクサーの沢村忠(本名・白羽秀樹)さんが、3月26日に肺がんのため千葉県内の病院で死去していたことが31日、分かった。78歳だった。沢村さんは代名詞の「真空飛び膝蹴り」でKOを量産して一世を風靡(ふうび)し、半生を描いた漫画やテレビアニメでも人気を博した。葬儀は近親者のみで30日に執り行われた。

 華麗な跳び蹴りなどのスタイルで「キックの鬼」と親しまれた沢村さんは、現在では信じられないような試合数の多さから「鉄人」とも呼ばれていた。

 公表されている戦績は、約10年の活動期間で232勝(228KO)5敗4分け。一説には500戦以上とも言われる。人気のあまり引く手あまたとなり、現在のスター選手の4~5倍相当にあたる年間平均20試合を消化。過酷な戦いをこなし、すねの腫れが引かないまま試合に出ることも多かった。

 頑丈な体は中国唐手(とうで)の正師範だった祖父の厳しい指導で培った。日大3年時には空手で全日本王者となり、空手では無敗。後に沢村さんも「子供の頃からストリートファイトを含め、一度も負けたことはない」と語っている。

 77年の現役引退後は「伝説のキックボクサー」とも言われるようになった。公の場にほぼ姿を見せなかったからだ。表舞台から遠ざかった理由として、親族は「根も葉もないことをマスコミに書かれるから、と本人が話していた」と明かした。リングから離れはしたが、町道場で子供たちにキックの楽しさと厳しさを熱心に指導。沢村さんの魂は引き継がれている。

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