五輪・パラのホストタウンから不安の声…アンケート回答93%の自治体が新型コロナにより活動に大きな影響

前橋市で事前合宿を行う南スーダンの選手団
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他の主なホストタウンの声
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 東京五輪・パラリンピックに参加する海外選手らと自治体の交流を促進し、地域活性化を目指す「ホストタウン」の登録が30日、7件が追加され、ホストタウンは421件、復興ありがとうホストタウンは32件となった。多くが大会前に、事前合宿の受け入れなどの予定を立てているが、新型コロナウイルスの猛威が収まらない中で、様相は様変わりしている。スポーツ報知では登録をした100の自治体に書面でアンケートを実施。67の担当者から回答をもらったが、不安の声は大きかった。

 東京を舞台に勝負を挑む海外のアスリートを支えるホストタウン。当初は住民との交流や練習会、選手の壮行会などのイベントも予定していた自治体も多かった。だが、コロナ禍でその様相は変わった。

 「新型コロナ対策により活動に大きな影響はありますか」という質問に対し、事前キャンプ、事後交流を行う予定の62自治体が「ある」とし、回答のあったうち93%に及んだ。事前キャンプ実施の自治体で、「ない」と答えたのはわずかに2だった。千葉県は「選手と住民双方の安全を守る方策が必要」と回答。滋賀・彦根市は「本来のお出迎え、おもてなしは困難」とするなど、多くの自治体が準備状況に苦しんでいる。

 標高約1000メートルの蔵王坊平高原にトレーニング施設がある山形・上山市は、ポーランドを相手にホストタウン登録。五輪は7月16日から、パラは8月14日から陸上の事前キャンプ地としても誘致している。だが、市民との交流はできない状況となり、「事前合宿のサポート交流と割り切る」といい、「国のホストタウン制度は当初、相手国との交流を着地点とし、自治体の競争のような状況となったが、現状では交流なしの事前合宿で、事後の交流も想定できない」と嘆いた。

 世界的な流行による予選進行の遅れも要因にある。ビーチバレーのモーリシャスなどが来る予定の静岡・掛川市は「出場をかけた予選が開催されていない」。また、エストニアを迎える長野・佐久市も、「出場が決まっていない」とするなど、今後の予選開催が不透明で、準備をどこまで進めるべきか、二の足を踏んでいるところも少なくない。

 その中で事前キャンプ断念を決めた自治体もある。愛媛・西条市は、相手国のオーストリアが直接東京入りし、短期間での帰国を決めたとして、事前キャンプを断念。台湾の女子卓球選手団を迎える予定の大阪・貝塚市も、「台湾選手が海外大会出場後、3週間の隔離期間があることなどから、スケジュールが合わず実施できない可能性が高い」と、厳しい現状を明かした。(遠藤 洋之)

 ◆ホストタウン 東京五輪・パラリンピックに参加する国・地域と、受け入れ自治体がスポーツなどを通して末永い交流を目的とする取り組み。政府では新型コロナの影響もあり、交流はオンラインや大会後に行うことを推奨。16年1月に第1次登録(44件)が行われ、現在では総登録453件(うち、岩手・宮城・福島の被災3県の「復興ありがとうホストタウン」32件)で登録自治体数は525。対象国・地域は184におよぶ。

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