テラハ木村花さん問題 BPO フジテレビに「放送倫理上の問題があった」

木村花さん
木村花さん

 フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん(享年22)が昨年5月、視聴者から誹謗(ひぼう)中傷を受けた後に死去した問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は30日、「放送倫理上の問題があった」との見解を示した。

 この事案は花さんの母・響子さんが昨年7月、番組で花さんが暴力的な女性のように描かれたなどとして、「人権侵害があった」と訴える申立書をBPOに提出。これに対しフジテレビは、番組で「女性を暴力的に描いていない」などと主張するとともに、社内調査の結果をもとに、「人権侵害は認められない」と反論していた。委員会は昨年9月、異例の早さで審理入りを決め、審理を重ねてきた。

 委員会は30日、「木村氏に精神的な負担が生じることが明らかである本件放送を行うとする決定過程で、出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で、放送倫理上の問題があった」と委員会決定を公表した。

 だが、「ことさらに視聴者の感情を刺激するような過剰な編集、演出を行ったことによる問題がある」と響子さんが主張した点に関しては、事実関係が確定できないこと、「木村氏の怒り場面は、少なくとも相当程度には真意が表現されたものと理解できる」ことを指摘し、「放送倫理上問題があるとは言えない」と結論づけた。

 フジテレビの検証が内部調査にとどまった点については、番組による人権侵害等を判断する委員会の基本任務とは距離があるとして判断は行われなかった。

 委員会はフジテレビに対し、「本決定を真摯に受け止めた上で、フジテレビが木村氏の死去後に自ら定める対策を着実に実施し、改善を続けるなどして再発防止に努めるとともに、本決定の主旨を放送するよう要望する」とした。

 また、放送界全体に対しては、「本件及び本決定から教訓を汲み取り、木村花氏に起こったような悲劇が二度と起こらないよう、自主的な取り組みを進めるよう期待する」とした。

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