【尾車親方の目】こんな力士100年は出てこない 照ノ富士、序二段からの大関再昇進

貴景勝(右)を押し出しで破り優勝を決めた照ノ富士
貴景勝(右)を押し出しで破り優勝を決めた照ノ富士

◆大相撲春場所千秋楽 〇照ノ富士(押し出し)貴景勝●(28日・両国国技館)

 関脇・照ノ富士が、4場所ぶり3度目の優勝を決めた。大関・貴景勝を押し出しで破り12勝3敗。関脇以下で3度の優勝は、史上初めてとなった。横綱が5場所連続で不在となった土俵で3大関を総なめにするなど、存在感を見せた。八角理事長(元横綱・北勝海)は照ノ富士の大関再昇進を諮る理事会の招集を明言。理事会で承認されなかった例はなく、事実上、大関復帰が決まった。夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)は19年名古屋場所以来の4大関となる。

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 さすがの照ノ富士も緊張したのか、立ち合いを失敗した。いつもの体当たりではなく、貴景勝の右のかいな(腕)をたぐりに行った。踏み込みがなかったので押されていたが、左からの押っつけで形勢逆転。最後はこれまでの苦労を振り払うように両手で押し出した。

 序盤は大きな相撲が目立った。もろ差しを許し両腕をきめながら振り回していた。膝をまた痛める危険と背中合わせ。それでも終盤は修正できた。特に13日目の正代との一番で見せた、前まわしをつかんでの引き付けは往年の名横綱・千代の富士さんを彷彿(ほうふつ)とさせた。3大関撃破は立派。大関への再昇進も文句なしだ。

 ぶれない精神力に頭が下がる。幕内から幕下に落ちても心が折れるのに、序二段からの再スタート。こんな力士は今後、100年は出てこない。課題は一生付き合うことになる膝との長い闘い。「もう大丈夫」ということは絶対にない。引き付けて前に出る相撲を一番でも多く取れば横綱にもなれる。(スポーツ報知評論家)

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