【森永卓郎の本音】ワクチン遅れの大罪

森永卓郎
森永卓郎

 ワクチン接種が新型コロナの感染抑制に大きな効果を持つことが明らかになってきた。ワクチン接種が進む国で新規陽性者数が明らかに減少しているからだ。

 そこで、オックスフォード大学が運営している「データにおける私たちの世界」というサイトで、何%の国民にワクチン接種が行われているのかをみると、日本のワクチン接種が大幅に遅れている事実が分かる。

 3月22日時点の接種率は英国が45%、米国が38%、欧州が14%に対して、日本はわずか0・5%に過ぎない。ブラジル7%、中国6%、メキシコ4%、バングラデシュ3%、フィリピン0・3%だから、日本の接種状況はまさに発展途上国並みにとどまっているのだ。

 私は厚生労働省の責任が重いと思う。日本では、ファイザー社のワクチンが緊急承認されたが、供給契約を結んでいるアストラゼネカやモデルナのワクチンは、いまだに承認されていない。厚労省は、これまでワクチンや薬害で集団訴訟を起こされている。それに懲りて慎重の上にも慎重を期しているのだろうが、その厚労省の保身が国民生活と日本経済に危機をもたらしているのだ。

 輸入ワクチンだけでなく、国産ワクチンの承認も大幅に遅れている。昨年3月に私がよみうりテレビの「情報ライブ ミヤネ屋」に出演した時のゲストが、大阪大の森下竜一教授だった。その時、森下教授は、新型コロナに対するDNAワクチンのサンプルが既にできていると言った。それから1年以上が経過して、このDNAワクチンは、ようやく最終段階の治験に入ったところだ。

 世界の保健当局がワクチンの緊急承認に踏み切るなかで、日本だけが遅々として承認が進まない。そのツケは、巨大な感染第4波となって、国民を襲うだろう。(経済アナリスト)

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