【ドバイゴールデンシャヒーン】海外競馬通・成田幸穂が前哨戦リヤドダートスプリント、マハブアルシマールを分析

スポーツ報知
コパノキッキング

 ドバイワールドカップデーが3月27日にドバイ(アラブ首長国連邦)のメイダン競馬場で行われる。小欄ではG1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200メートル)に向けたステップレースとして、2月20日にサウジアラビアで行われたリヤドダートスプリント(キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1200メートル)と、3月6日にメイダン競馬場で行われたG3マハブアルシマール(ダート1200メートル)を取り上げたい。

 13頭による争いとなったリヤドダートスプリントは、日本のコパノキッキング(セン6歳、栗東・村山明厩舎)が優勝した。スタートで出遅れながらも素早く馬群に取りついて後方待機。最後の直線で豪快に末脚を伸ばし、逃げ粘るマテラスカイをゴール前で捉えた。勝ち時計は1分10秒66(良)。

 小差の2着にマテラスカイ(牡7歳、栗東・森秀行厩舎)。直線では一旦後続を突き放したが、最後は勝ち馬の決め手に屈した。3着に地元のファッザー。G3ドバウィSの勝ち馬スイッツァランド(セン7歳、UAE・シーマー厩舎)はマテラスカイを前に見ながら3番手あたりを追走したが、伸びを欠いて4着。ジャスティン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)は出遅れが響いたか、6着に敗れた。

 本番へ向けた展望としては、アメリカ勢の参戦がなかったとはいえ、コパノキッキングの脚力、難なく先手を取ったマテラスカイのスピードは希望を抱かせるもの。不完全燃焼だったジャスティンの巻き返しにも期待したいところだ。

 13頭立てのマハブアルシマールは、キャンヴァスト(セン6歳、UAE・ワトソン厩舎)が勝って重賞初制覇を果たした。中団8番手あたりから徐々に進出。最後は逃げ切りを図るグッドエフォートをゴール寸前で差し切った。勝ち時計は1分10秒20(良)。今シーズンのメイダンは速い時計が出やすいコンディションなのかもしれないが、コースレコード(1分10秒12)に迫る好タイムとなった。

 英リステッド競走ゴールデンローズSを制したグッドエフォート(牡6歳、UAE・モハメッド厩舎)がクビ差2着。米G2アムステルダムS3着のプレミアスター(牡4歳、UAE・ワトソン厩舎)が4着なった。

 本番に向けての注目馬は上位2頭。差し脚が光ったキャンヴァストもさることながら、軽快な逃げを打ったグッドエフォートも見逃せない。800メートル通過が45秒30と、メイダンのダート1200メートル戦としては相当速かった。自らハイラップを刻んだ上で一旦は完全に抜け出し、最後まで粘ったグッドエフォートの走りは評価したい。

◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。3月27日(土)23時00分から、ラジオNIKKEI第1「ドバイワールドカップデー実況中継」に出演予定。

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