加速する「プロ野球はスマホで」の流れ…日常生活に野球が“溶け込む”ことは喜びである

楽天に復帰した田中将大。今季のパ・リーグの「顔」だ
楽天に復帰した田中将大。今季のパ・リーグの「顔」だ

 プロ野球を取り巻く時代の急激な流れを表す、驚きのデータといえる。パ・リーグマーケティング社(PLM)がこのほど発表したニュースレターに、その数値は書かれていた。

 同社などが2020年のパ・リーグ6球団の放送に伴うユニーク視聴台数(月あたり256万台のスマートテレビから収集された視聴ログデータ)と推計ユニーク視聴人数【注】を独自で調査したところ、「パーソル パ・リーグTV」や「DAZN」「ベースボールLIVE」「パ・リーグSpecial」の計4チャンネルの視聴者数が前年と比べて大幅に増加し、CS放送などの有料放送を視聴台数、視聴人数で初めて超える結果になったのだ。

 これらのネット配信でパ6球団を視聴している人数は、2017年と比べて6倍に激増。地上波放送や無料BS放送と比べると、まだまだ10分の1以下ではあるが、「プロ野球はスマホで」という生活様式が急速にファンの間で浸透していることが実証された。

 その理由として同社では、スマホやタブレットの普及により、自宅での視聴だけでなく、移動中や仕事の休憩中でも気軽にプロ野球を観戦できる環境が整ったことが大きいとしている。確かにシーズン中は帰宅する電車の車内で、スマホ画面の熱戦を凝視する人々を見かけることが多くなった。

 さらにPLMの公式YouTubeチャンネルも19年の総再生回数3・6億回から、20年は8億回へ、登録者数は19年の27万5000人から20年は59万8000人と、ともに前年比約2倍の実績を挙げている。

 同社では、昨季はコロナ禍で無観客や入場者数の制限といった措置が取られたことから、「プロ野球をお茶の間に取り戻そう」をテーマにファンサービスの一環としてYouTubeでの動画配信に力を入れた。その結果が高い数字に結びついたと分析している。21年は「チャンネル登録100万人」「総視聴数12億回」を目指すと鼻息も荒い。

 これらの数字が意味するのは、人々の生活の中にプロ野球が溶け込み、日常の中で“呼吸”をしているということだろう。コロナ禍で気持ちも沈みがちな日々は続くが、一球一打に心を躍らせ、その結果に一喜一憂できる瞬間があることは、ささやかな人生に確かな潤いをもたらしてくれる。

 もちろんリビングの大きなテレビで、家族と一緒におしゃべりしながら見る地上波やBS、CS放送のプロ野球も楽しい。球場での生観戦が最もエキサイティングなのは言わずもがなだ。

 さあ開幕。様々な選択肢を手にしながらプロ野球とともに暮らす喜びをかみしめて、今季も激闘に熱視線を注いでいきたい。(記者コラム)

 【注】ユニーク視聴台数に対して、自家用TVの家族人員の数値2・28を一律でかけたもの。ネット配信はデバイスの特性上、2・28の数値は乗じていない

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