重量挙げ・三宅宏実、素直な心を忘れずに…リレーコラム

スポーツ報知
三宅宏実

 筑波大大学院を修了することが決まり、27日に修了式を迎えます。過去4大会の五輪経験を研究材料とし、貴重な学びになりました。選手としてのキャリアを客観視し、ピークを迎える時期もあれば、停滞する時期もある。そして体力の衰えも必ずやってくる、という事実を再認識する経験にもなりました。五輪まで4か月、技術は磨く余地があるので、与えられた時間を大切に過ごしていきたいです。

 競技人生を振り返り、今でも一番印象に残るのは2011年6月。地元の埼玉で行われた全日本選手権で上げたスナッチ90キロ、ジャーク117キロ、トータル207キロの日本記録です。あと3~4キロはいけるんじゃないかと思うくらい、バーベルが軽かった。動きが全てはまった感じでした。もう、あれから10年たつんですね。重量挙げは自分との闘いで、調子が試合にぴったり合うとは限らないから面白い。バーベルが軽かったあの感覚は“10年に一度”なのかもしれません。20年のキャリアだから、もう1回、あれが来てもいいんじゃないか。最後、五輪に…と願いつつ練習しています。

 東京五輪は、もう本当に最後です。38歳で迎える24年パリ五輪は、ちょっと考えられないですね…。子供も欲しいですし、しっかり現役生活にけじめをつけたいと思っています。最後の五輪は、落ち着いた試合をしたいなと思っています。腰など、けがの状態も良くなってきていますし、19年世界選手権以来の試合になるアジア選手権(4月)が楽しみ。自信を持った、すがすがしい表情で五輪の舞台に立ちたいですね。

 重量挙げという競技は、ストレートに言えば私の生きがいです。喜怒哀楽、全てを学ばせてもらった。何があっても立ち上がる、馬力を与えてもらったと感謝しています。現役を引退しても、成長は続けたいですし、学び続けたい。何を学ぶかは五輪の後に決めるとして、情熱を注げるものに出会えればと思いますね。今に満足せず、たくさん知らないことを学ぶ。初めてバーベルを触った20年前のあの日のように、素直な心を忘れずに生きていきます。

 ◆三宅 宏実(みやけ・ひろみ)1985年11月18日、埼玉・新座市生まれ。35歳。初出場の2004年アテネ五輪女子48キロ級9位。12年ロンドン同級で銀、16年リオ五輪同級で銅。父・義行さん(現・日本協会会長)は68年メキシコ市五輪フェザー級銅メダリスト、伯父・義信さんは64年東京、メキシコ市両五輪でフェザー級金メダリスト。147センチ。

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×