◆第93回センバツ高校野球大会第2日 ▽1回戦 三島南2-6鳥取城北(20日・甲子園)
21世紀枠で初出場の三島南(静岡)が、昨秋中国4強の鳥取城北(鳥取)と互角の勝負を演じた。9回にダメ押しされたが、8回までは1点差。奮起したのは3番・前田銀治外野手(3年)だ。6回、右翼フェンス直撃の三塁打、8回にも左前に運んでチーム唯一の2安打。181センチ、89キロで、通算19発のスラッガーは「自分のバッティングができた」と手応えを口にした。
遠投92メートルの強肩を買われ、昨秋から投手に挑戦。毎朝坂道で20分間のランニングを欠かさず下半身も鍛えた。9回にマウンドに上がると、3失点したものの相手3番・畑中未来翔(3年)に対し自己最速を4キロ更新する143キロをマーク。「緊張したけど楽しめた」と笑った。
豪快なプレーとは裏腹に、性格は繊細。今大会には「(宿舎を)来た時より奇麗にしないと」と“マイコロコロ”を持参して室内の美を保った。「チャンスに強くなっていきたい」と今夏再び聖地を目指す。(武藤 瑞基)