デビュー初日2勝のJRA・小沢大仁騎手は「伸びしろ」を感じさせる男

デビュー初日に2勝を挙げた小沢大仁騎手
デビュー初日に2勝を挙げた小沢大仁騎手

 3月6日、栗東所属の新人騎手6人がデビューした。2人の女性を筆頭に2世、3世ジョッキーもいるなど話題は豊富だが、初日にいきなり2勝(史上4人目の記録)と輝きを放ったのが、競馬と縁のない家庭で育った小沢大仁(だいと)騎手(18)=栗東・松永昌博厩舎=だ。

 デビュー戦は阪神1R。4番人気に支持されたメイショウホタルビを2番手から4角先頭の積極的なレースで勝利に導くと、最終の12Rは末脚自慢のドスハーツで差し切りを決めた。「模擬レースでも1着になったことがなかった」という“伏兵”が話題をさらった。

 小学3年時に家族で中京競馬場に遊びに行ったことがきっかけでジョッキーを志した。「全員が初めての競馬場。騎手の格好良さに一瞬で引き込まれました」。本格的に乗馬を始めたのは中学3年。競馬学校に入学後も「最初は一番下手でした」と振り返るが、「周りが全部お手本になりますし、僕は負けず嫌い。伸びしろは一番大きいはずと信じて努力しました」と技術向上に明け暮れた。

 強いハートは、幼い頃からの過密スケジュールで養われた。「両親は挑戦したいと言うと、何でもやらせてくれました」。スポーツは平泳ぎで全国大会に出場した水泳を始め、陸上長距離にサッカー。文化系では「中部大会のコンクールでトロフィーをもらった」というピアノだけでなく和太鼓、茶道、書道、三味線まで。「毎日何か習い事があって、休みはありませんでした」。全てが競馬につながる部分があるといい、「いろいろな経験を思い出すと、やっぱり競馬が一番好きなんだなと感じます」と明かす。

 原動力は周囲への恩返しの気持ち。「初賞金は家族へのプレゼントに使いました」。事前に欲しいものをリサーチして、父には財布を、毎週土日に車で片道1時間かかる乗馬センターまで送迎してくれた母と、2つ上の姉にはバッグを、祖母にはV時のゼッケンにサインを入れて贈ったという。

 愛知・瀬戸市出身。将棋の藤井聡太二冠とは同学年でもある。「『将棋の強い子がいる』というのは知っていましたが、あそこまでとは…。自分は駒の動かし方も分かりません」と天才棋士の活躍をファン目線で見守りながら「僕も地元を盛り上げられるような存在になれれば」と飛躍を誓った。

 デビュー2週目は残念ながら未勝利に終わったが、今後もマルチな才能を持つルーキーの成長に注目していきたい。(中央競馬担当・吉村 達)

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