【Bリーグ】仙台89ERS、キーナート・オーナー代行招待、震災遺族の前で3連勝

東日本大震災の遺族を青森戦に招待した仙台89ERSのキーナート・オーナー代行(右、左から3人目は仙台大の朴沢理事長)
東日本大震災の遺族を青森戦に招待した仙台89ERSのキーナート・オーナー代行(右、左から3人目は仙台大の朴沢理事長)

◆B2第25節 仙台89ERS87―74青森ワッツ (14日、ゼビオアリーナ)

 仙台89ERSは青森を87―74で下し、3連勝とした。89ERSでオーナー代行を務めるマーティ・キーナート氏(74)が、東日本大震災の遺族を招待。10年前、副学長を勤めていた仙台大で3人の学生が犠牲に。以来、遺族らと交流を続けており、ともに観戦して声援を送った。

 ゼビオアリーナのコートを見つめながら、佐藤道徳さん(62)は柔和な笑みを浮かべた。「娘もね。中学の時にバスケットボールをやってたんだ。シュートを外して、べそをかく姿が浮かんできたよ」。閖上中時代、女子バスケ部だった長女・加奈子さんを思い、遠くを見つめた。

 10年前、加奈子さんは名取市の自宅で津波にのまれた。まだ20歳だった。加奈子さんを含め、仙台大の学生3人が、それぞれの自宅で津波の犠牲になった。「それぞれ、いいものを持っていた」。当時、仙台大副学長だったキーナート氏は、授業で指導したこともあった。教え子の訃報はただただ悲しく、悔しかった。自然と、遺族を支えようと思ったという。

 震災以降は亡くなった3人の家族と定期的に食事会を行うなど、ずっと交流を深めてきた。自宅に招くことも多かったが、昨年はコロナ禍で開催を断念した。今年も昨年に続き、仙台89ERSのホームゲームに招待することに。佐藤さんは「大学で少しお世話になっただけなのに、ずっと交流し続けるのは日本人でも難しいと思う。その心の広さに、頭が下がります」と穏やかな表情で語った。

 桜井孝仁さん(63)は長男の理仁さん(享年24)を亡くした。東北高では陸上部で、ダルビッシュ有投手(34)と同学年だった。桜井さんは「1年に1回、会う機会を作ってくださって。マーティ先生には感謝しています」と頭を下げた。「これからもずっとやっていきたいと思います」とキーナート氏。寄り添う心を、これからも持ち続ける。(高橋 宏磁)

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