【巨人】新人記者が目にした「123番目の男」加藤廉の指名

スポーツ報知
支配下選手を目指す巨人の加藤廉

 忘れられない1日になった。昨年10月26日のプロ野球ドラフト会議。入社1年目で、10月に静岡支局へ赴任した私は、加藤廉(れん)内野手(22)の所属する東海大海洋学部(静岡市)で“初ドラフト取材”を迎えた。加藤に届いた調査書は4球団。指名があるかどうか微妙な情勢で、学生服に身を包んだ加藤は「昨日からドキドキしてます」と緊張を隠せない様子だった。

 関係者と報道陣合わせて約10人が見守る中、午後5時に1位指名が始まった。手塚慎太郎監督が「しばらく(指名は)ないから緊張しなくていいよ」と周囲を笑わせ、学校関係者も「5位くらいまで気楽に見ましょう」と現場は和やかな雰囲気に包まれていた。

 育成ドラフトに入ると会話はなくなり、各球団が指名を終わるたびに流れる「選択終了」のアナウンスにため息が漏れる。重苦しい空気の中、午後8時15分に歓喜の瞬間が訪れた。

「読売 加藤廉 東海大海洋学部」

 不安の面持ちで画面を見ていた加藤は両手でガッツポーズ。握手した手塚監督の目には光るものがあった。巨人育成12位、今回のドラフトで12球団最後となる123番目の指名だった。「東海大海洋学部」の名前が初めてコールされた瞬間でもあった。50メートル5秒9、遠投115メートルと身体能力が高い右投げ左打ちの内野手。静岡・島田工時代は無名で「高校のときは考えられなかった」と小刻みに震えながら喜びを口にし「みんなと一緒に喜び合いたい」と仲間の待つ宿舎へ戻っていった。

 2月、加藤が2軍の練習試合で「初打席初安打」を打ったという記事を目にした。3月3日の春季教育リーグ・ヤクルト戦ではプロ初アーチとなる3ランも放った。3軍スタートから昇格し、2軍での奮闘を伝える短い記事に胸が熱くなった。「背番号001」の下剋上を、静岡から応援している。(静岡支局・内田 拓希)

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