新しい「朝の顔」谷原章介&川島明も勝負は短期決戦?…民放各局、4月改編のポイントは帯番組の一新

4月から「朝の顔」となるフジ「めざまし8」司会の谷原章介(左)とTBS「ラヴィット!」司会の川島明
4月から「朝の顔」となるフジ「めざまし8」司会の谷原章介(左)とTBS「ラヴィット!」司会の川島明
日本テレビの4月改編の目玉となった指原莉乃(左)と水ト麻美アナウンサー
日本テレビの4月改編の目玉となった指原莉乃(左)と水ト麻美アナウンサー

 12日にオンラインで改編発表会見を開催したテレビ朝日をしんがりに民放テレビ各局の4月改編が出そろった。

 いち早く2月16日に改編会見をオンラインで行ったTBS。「より多くの家族に届く番組を」をテーマに昨年10月改編の全日(午前6時~深夜0時)5・36%、ゴールデン帯(午後7時~10時)4・76%、プライム帯(午後7時~11時)11・25%の小規模改編から一転、全日19・17%、G帯32・86%、P帯35・36%の大幅改編となった。

 常にファミリーコア(男女13~59歳)層を狙ってきた同局。「2020年度通期(~21年1月)」の同層の視聴率が前年度と比べ全日、GP帯で0・5ポイント上昇したとした上で、さらに重点ターゲットを10歳若返らせ、午前帯、G帯の午後7時枠を中心に4~49歳の「新ファミリーコア」で楽しく見られる番組をさらに増加。タイムテーブルの強化を目指すとした。

 G、P帯ともに30%を超える改編は7年ぶりとなる大規模なもの。立川志らく(57)がMCを務めた朝の帯番組「グッとラック!」をわずか1年半で終了させ、今月29日からはすぐに手が届く「楽しい!」を提案するライフスタイルバラエティーとして「ラヴィット!」(月~金曜・午前8時)がスタート。お笑いコンビ「麒麟」の川島明(42)が朝の帯番組MCに初挑戦。入社3年目の田村真子アナウンサー(25)がタッグを組む。

 8日に東京・台場の本社で改編発表会を開いたフジテレビの改編キーワードは「8から始まる」。こちらも今回の改編率は全日13・5%、ゴールデン帯22・4%、プライム帯26・8%という高い数字。「めちゃ×2イケてるッ!」、「とんねるずのみなさんのおかげでした」などの長寿バラエティーを終了させた18年4月の全日28・2%、ゴールデン29・8%、プライム29・5%という「史上最大の改編」に迫る規模となった。

 朝の時間帯を大幅に改編。22年続いたフリーアナウンサー・小倉智昭氏(73)がメインキャスターの「情報プレゼンター とくダネ!」(月~金曜・午前8時)が26日で終了。俳優・谷原章介(48)と永島優美アナ(29)をメインキャスターに据えた「めざまし8(エイト)」をスタートさせる。

 永島アナの“異動”に伴い、その前の時間帯の「めざましテレビ」(月~金曜・午前5時25分)もリニューアル。三宅正治アナ(58)に加え、生田竜聖アナ(32)、井上清華アナ(25)の3人体制となる。

 5日、オンラインで改編会見を開いたテレビ東京も大いに動いた。

 「思い切り第一歩 新テレ東はじめます」をキャッチフレーズにした今回の改編率はG帯22・1%、P帯36・3%、全日帯35・4%と史上最大の規模となった。

 改編の目玉が看板ニュース番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」の午後11時から午後10時枠への1時間の前倒し移動。メインキャスターにはこれまで通り大江麻理子アナ(42)、さらにダブルメインとして同局の「朝の顔」だった佐々木明子アナ(51)、フィールドキャスターとして角谷暁子(26)、田中瞳(24)、原田修佑(27)の各アナが加わる。

 リモート会見した大庭竹修編成部長は「『WBS』は我が局にとって非常に大切なコンテンツ。見やすい時間で楽しんでいただきたいということで午後10時からとします」と話した。

 視聴率NO1を誇るテレビ朝日系「報道ステーション」と正面からぶつかる形になるが、「他局と対抗するつもりはありません。『WBS』は唯一無二の専門商社のような番組として、経済に特化し、濃くて深くて強い番組内容を目指します」と決意表明した。

 日本テレビも10日にオンラインで会見。改編率はG帯9・2%、P帯19・0%、全日帯8・4%と各局最少。今年2月まで個人視聴率「3冠王」を11か月連続で継続中の“勝ち組”らしい抑えめの数字となった。

 「コロナ禍で生活動態が激変した中、第一に生活者ファーストであり、withコロナ、afterコロナ時代の新たなタイムテーブルであることを目指しました」と田中宏史編成部長。「視聴率3冠の継続を目指します」と宣言した。

 こちらも朝の情報番組をテコ入れ。「スッキリ」(月~金曜・前8時)MCを務める「極楽とんぼ」の加藤浩次(51)が今月いっぱいで吉本興業とのエージェント契約を解消、自身の新会社を設立することになったが、4月以降も加藤のMCは継続。3月いっぱいで番組卒業のサブMC「ハリセンボン」の近藤春菜(38)については「後任は置きません。4月期はフレッシュなコメンテーターを複数名、お招きしようと考えています」と田中氏。

 同じく「スッキリ」を卒業する水ト麻美アナウンサー(33)は、その前の番組「ZIP!」(月~金曜・午前5時50分)で単独総合MCを務める。民放各局屈指の好感度を誇る同アナには4分前後の解説コーナーも用意される。

 また、土曜の午後も一新。27日に終了する「メレンゲの気持ち」の後番組として4月3日スタートの情報バラエティー「ゼロイチ」(土曜・前10時半)で、タレント・指原莉乃(28)が初の生放送での単独MCを務める。

 日テレを追う全日帯、GP帯すべて2位のテレビ朝日は12日にオンライン会見。改編率はG帯26・2%、P帯19・9%、全日帯8・3%となった。

 目立ったのが、火曜日のゴールデン帯の縦の流れの強化。目指したのが、コロナ禍での生活様式激変の中、在宅率のアップでできた「おうち時間」を家族一緒で楽しむような番組作り。バカリズム(45)、「KAT―TUN」の中丸雄一(37)、「メイプル超合金」のカズレーザー(36)の3人が家事をゼロから学んでいくドキュメントバラエティー「家事ヤロウ!!!」を火曜深夜から枠移動。午後6時45分開始とG帯に昇格させることが最も象徴的な動きだ。

 榊原誠志総合編成部長は「『家事ヤロウ!!!』は公式インスタ登録者数が国内最高の170万人超えの人気。満を持してのゴールデン進出となります。コロナ禍で手軽にレシピなど伝えることで気軽におうち時間を楽しめる編成です」と説明した。

 平日深夜のバラエティーゾーン「バラバラ大作戦」からお笑いコンビ「かまいたち」の関東地区初の冠番組「かまいガチ」を深夜2時台から0時台に昇格させるなど、若者ターゲットの戦略も進めている同局はライバル局の激しい追い上げも受けて立つ。

 年間視聴率4年連続民放トップを突っ走る朝の看板番組「羽鳥慎一モーニングショー」にフジが「めざまし8」、TBSが「ラヴィット!」という新番組をぶつけてくることについて、編成担当の西新取締役も「現場は信頼や期待にしっかり応えてくれると思っています」と自信の一言。

 テレ東が「WBS」を「報道ステーション」の裏に枠移動させる点についても榊原氏は「(前身の)『ニュースステーション』は19年間の放送で平均視聴率で個人6・3%、世帯14・4%、『報道ステーション』は17年間の放送で個人6・5%、世帯12・7%と長年に渡りご評価いただいている数字を今後も守っていけたらと思っています」と胸を張った。

 5社出そろった4月改編を見渡せば「とくダネ!」、「メレンゲの気持ち」など20年以上の歴史を持つ長寿番組の終了とともに「朝の顔」の一新が目立つ。志らくの後釜の川島は吉本興業とのエージェント契約終了で話題の「スッキリ」MC・加藤浩次(51)との直接対決となる。

 22年間、フジの朝の顔に君臨してきた小倉氏の後釜にはさわやかな谷原が登場。川島、谷原ともに「羽鳥慎一モーニングショー」を追撃する形。テレ東も看板番組「WBS」で「報道ステーション」に一騎打ちを挑んでいるのは事実だ。

 そう、各局がフレッシュな陣容で狙うのは、日々放送される帯番組で他局をリードすることで視聴習慣をつかみ、自社チャンネルに視聴者の目線を釘付けにすることにある。

 各局の数字争いが加熱する主要因がビデオリサーチ社が昨年3月からスタートさせた世帯視聴率に加えての個人視聴率の発表だ。

 各局は「どれだけの世帯が見たか」を示す世帯視聴率ではなく、「何人が見たか」を示す個人視聴率を重視。各局にCMを提供するアドバタイザー(広告主)にとっても商品のターゲット層によりリーチしやすくなるため、個人視聴率の方をより重視。各局の制作現場にも、よりターゲットを絞った番組作りが要求されるようになっている。

 テレビの広告収入をネットの広告収入が上回ったのは2年前のこと。2月に民放連研究所が公表した令和2年度の民放各局の営業収入はコロナ禍の直撃もあり、前年比14・5%の大幅減となっている。

 収入低下にあえぐ各局が突きつけられた、より広い視聴者層に届いた上、より細分化された視聴者層も発掘しようという難題。帯番組の強化プラスお笑い「第7世代」やジャニーズタレントなどを起用しての「新ファミリーコア」に代表される若者層への目配り。そこに挑んだのが今回の4月改編だと、私は見る。

 ただし、TBSの期待を一身に背負って「朝の顔」に起用された志らくが短期間で降板に追い込まれたように、時間は決して待ってくれない。費用対効果を求める広告主の視線はコロナ禍の中、よりシビアになっているだろうし、若者の心が移り気なのは、いつも変わらない。そんな状況の中で船出する谷原も、川島も自身への評価はすぐに出る短期決戦であることを内心、意識しているのではないだろうか。

 春の勝ち組はどこの局か。要は面白いか、面白くないか。驚くほど、あっさりと視聴率争いの決着はつくのではないか。激動の春を迎えた今、私はそんな気がしてならない。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆民放各局の4月改編率

 ▽日本テレビ 全日8・4%、ゴールデン(G)9・2%、プライム(P)19・0%

 ▽テレビ朝日 全日8・3%%、G26・2%、P19・9%

 ▽TBS 全日19・17%、G32・86%、P35・36%

 ▽テレビ東京 全日35・4%、G22・1%、P36・6%

 ▽フジテレビ 全日13・5%、G22・4%、P26・8%

4月から「朝の顔」となるフジ「めざまし8」司会の谷原章介(左)とTBS「ラヴィット!」司会の川島明
日本テレビの4月改編の目玉となった指原莉乃(左)と水ト麻美アナウンサー
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