【甲府】伊藤彰監督インタビュー第1回 ペップ流との融合目指す

2月28日の開幕・千葉戦でピッチを見つめる甲府の伊藤監督(中央)
2月28日の開幕・千葉戦でピッチを見つめる甲府の伊藤監督(中央)

 J2甲府は14日にホーム開幕・栃木戦を迎える。開幕からのアウェー2連戦は千葉、大宮のJ1昇格候補から1勝1分と好スタートを切った。スポーツ報知では就任3年目を迎える伊藤彰監督(48)をインタビューした。17年以来のJ1昇格への思いや指導哲学などを3回に分けてお届けする。(取材・構成=山田 豊)

 開幕・千葉戦(2月28日、1△1)は後半ロスタイムにPKを獲得したが、MF野津田岳人(26)が外し引き分け。大宮戦(6日、2〇0)で今季初勝利を挙げた。指揮官が目指してきた、攻守において主導権を握るサッカーが形になった。

 「開幕戦に勝てなかったのは残念だった。でも選手から大宮戦は無失点でいこうという気持ちを感じたし、集中を高めてくれた。J2では最近、昨季のJ1川崎のような突出しているチームはない。2戦で勝ち点は4のペースで行けば最終的に勝ち点84くらいになる。このペースを保ちたい」

 昨季はわずか9敗ながらリーグ4位。リーグ最多の17引き分けだった。最終的にJ1昇格圏内の2位福岡とは勝ち点差19をつけられ、3季連続で昇格を逃した。

 「引き分けを減らし、勝ち点3(白星)へ変えるにはシュート数を増やす。しっかり足を振ったり、クロスを増やさなければならない。2試合でも10本以上打てているのは得点に近づいている証しでもある。勝ち点を稼ぐためにはシュートが重要。追求してやっていきたい」

 伊藤監督が理想とし、手本とするのは英プレミアリーグのマンチェスターCで指揮を執るグアルディオラ監督(50、愛称ペップ)だ。スペイン人指揮官が取り組むオフェンスで優位性を作り出す「ポジショナルプレー」はスペイン1部バルセロナ、独1部バイエルンでリーグ制覇するなど、欧州サッカーを席巻した。新理論を参考に、練習から甲府にも落とし込んでいる。

 「J2でももちろん、(攻守の)切り替えが早いことは大事。もちろんバルサ、バイエルン、マンCのように特化したサッカーをしたいが、甲府では別な話で理想を追いかけすぎてはいけない。グアルディオラが指揮を執るチームは年俸も質も高い選手があつまっている。J1なら川崎も質の高い選手が集まり、いろいろなものが加わって今の攻撃的な形になっている。一方で甲府では選手や質の問題もあるし、さらにはヴァンフォーレの歴史の中で培ってたものもある。甲府の色を融合させながらやっていきたい」

 欧州の4大リーグとJ2では条件が違うものの、盲目的にマンC、バルサ、バイエルンと同じような戦術を目指すことは、消化不良を起こし、勝利につながるとは限らない。指揮官がアレンジを加え、19年から落とし込んだ戦術がフィットし、千葉、大宮戦も守備時は5バック気味の3―4―2―1だが攻撃時は4―3―3のような形に変えるなど「可変システム」で相手を押し込んだ。

 「甲府の伝統は守備の強さ。そしていまは私がやりたいサッカーが好きな選手が集まってくれている。選手の入れ替わりの難しさは感じているけれど、やりたいサッカーを体現できるような選手をオーダーして獲得してきてもらってる選手たちも余裕ができるとプラスアルファで新しいことしようとかでてきている。サッカーが可変システムにつながっている」(第2回に続く)

 ◆伊藤 彰(いとう・あきら)1972年9月19日、埼玉県生まれ。48歳。埼玉・武南高、国士大を経て富士通入り。その後、チームがJリーグに加盟し、J2川崎に。その後J1昇格に貢献。大宮、鳥栖、徳島でもプレー。引退後に大宮下部組織を指導し17年はトップチーム監督。19年からJ2甲府監督。

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