“井岡2世”桑原拓がデビュー8連勝「僕はこんなものじゃないと証明していく」

5R、桑原拓(右)のパンチが湊義生のボディを捉える(カメラ・小泉 洋樹) 
5R、桑原拓(右)のパンチが湊義生のボディを捉える(カメラ・小泉 洋樹) 

◆プロボクシング「フェニックスバトル76」 スーパーフライ級(52・1キロ以下)8回戦 〇桑原拓 (判 定) 湊義生●(3月11日、東京・後楽園ホール)

 日本フライ級(50・8キロ以下)8位の桑原拓(25)=大橋=が2018年全日本同級新人王・湊義生(22)=JM・加古川=とノンタイトル8回戦で対戦し、3―0の判定勝ちを収め、デビューからの連勝を「8」(4KO)に伸ばした。

 一昨年12月以来、1年3か月ぶりの試合となった桑原。東西のホープ対決とうたわれたが、「いつまでもホープと言われているようでは何だかな…」と強い思いを胸にリングに登場した。足を使って、上下に打ち分けながら、スピードの乗ったパンチを繰り出し続けた。ラウンド終了間際には再三、相手の反撃を許したものの、危なげない試合展開で79―73、80―72、80―72と3―0の判定勝ちを決めた。

 「パンチをチョコチョコもらってしまうシーンもあったけど、スピードと足で見せるボクシングを目指したが、今日の出来では自信を失った」と勝利にも渋い表情。その一方で「湊選手は気持ちが強く、距離を縮めて打たせないなど、上手な選手だった」と対戦相手をたたえたのは潔かった。

 昨年3月に予定していた試合が新型コロナウイルス感染拡大で中止に。なかなか試合が決まらなかったが、桑原は「いつでも試合ができるように準備する」ことを心がけた。WBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(27)=大橋=のスパーリング相手や、元世界3階級制覇王者・八重樫東さん(38、現大橋ジムトレーナー)の引退スパーリングのパートナーを務めるなど“経験”も積んだ。それだけに、「納得のいかない試合」だったようだ。

 世界4階級制覇を果たしたWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(31)=Ambition=と同じ興国高―東京農大と進み、「井岡2世」のホープと呼ばれた。「まだまだ、僕はこんなものじゃないと証明していきたい」。自らに言い聞かせるように、言葉に力を込めて締めくくった。

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