一龍斎貞水さん、企画の「講談 伝承の会」が10回の節目 弟子の貞友が師匠を追悼

師匠・一龍斎貞水さんの扇子を手にする一龍斎貞友。この日の講座では師匠から譲り受けた張り扇も使った
師匠・一龍斎貞水さんの扇子を手にする一龍斎貞友。この日の講座では師匠から譲り受けた張り扇も使った

 「講談 伝承の会」が10日、東京・深川江戸資料館小劇場で初日を迎えた。12日までの3日間開催される。

 伝承の会は、昨年12月に亡くなった人間国宝・一龍斎貞水さんが企画。主催は講談協会で、日本講談協会、なみはや講談協会、上方講談協会、大阪講談協会と5団体の垣根を越えて、若手、中堅の講談師が他派の重鎮から稽古を付けてもらい、披露する会で、2011年度からスタート。昨年はコロナ禍で開催出来なかったが今年は10回目の節目に。3日間で26人が成果を披露。指導役の重鎮も各日3人が出演する。

 この日は貞水さんの追悼コーナーもあり、映像や音で芸をしのぶとともに、弟子の一龍斎貞友が思い出を語った。

 アニメ「ちびまる子ちゃん」のお母さん役の声優としても知られる貞友は、修行中はもちろん、真打ちに昇進してからもずっと師匠の身の回りの世話を続けた。「口うるさくて気むずかしい人でしたが、気持ちのつながりはありました。芸は他の追随を許さないし、人物のとらえ方が深いなと思いました。立体怪談が評価されていましたが、私は人情咄の方が好きでした。色々なチャレンジをされていました」と師匠について語った。

 貞水さんは、7年前から入退院を繰り返し闘病を続けた。献身的に見守った貞友は「(亡くなった時は)泣きませんでした。存命の時に泣くことが多かったので…。(最後は)これ以上、つらい思いをされるのであれば…、と思いました」と言う。弟子には厳しく接していた貞水さんだが、最後の入院の際には貞友に「ありがとうな」と感謝の気持ちを口にしていたという。

 貞友は、芸談や時折くれたアドバイスが心に残っているという。「芸は受け継げないですが、生身の人間性に接することが出来たのは幸せです」としみじみ語った。

 来年以降も、「伝承の会」は継続するという。

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