競歩・鈴木雄介、スポーツは支えてもらっているからこそできる…リレーコラム

19年9月のドーハ世界陸上。男子50キロ競歩で優勝し、東京五輪出場を内定させた鈴木雄介
19年9月のドーハ世界陸上。男子50キロ競歩で優勝し、東京五輪出場を内定させた鈴木雄介

 15年3月15日、全日本競歩能美大会で20キロの世界記録(1時間16分36秒)を出してから、6年になります。あの時は半分の10キロで「あぁ世界記録出るなぁ~」って自分の感覚で分かりましたね。12年ロンドン五輪後くらいから思い描くような練習が積めて、実を結んできた時期でした。記録を出した後に股関節を痛めてしまいましたが、けががなければもっと記録も更新できていたかなと思っています。

 世界記録のペースは、1キロ3分50秒を切るくらいのラップでした。ただ、自分の理想では、1キロ3分45秒を切るペースで20キロを歩き切ることは可能と考えていて、将来的に1時間15分を切ってもおかしくないな、と今も思いながら競技しています。もちろん、試合で結果を出す上では、速さと勝負強さの両方が重要。特に屋外スポーツは天候などにも左右されるため、必ずしも速い選手が勝つとは限りません。レース経験を積むことで勝負強さを兼ね備え、状況に応じて常に最高のパフォーマンスを発揮することが大切だと考えています。

 コロナ禍で難しい状況が続いたこの1年。改めてスポーツの価値やアスリートという立場を考えました。スポーツを見たり、したりすることで楽しさを実感し、多くの人々が価値を感じるからこそアスリートという存在があるのだと思います。ただ、スポーツ選手という存在は特別ではなく、あくまで社会の一員。私たちは多くの皆さまに支えられて活動できるのであり、今後もアスリートとして求められる存在でいられるよう、努力していきたいと思います。

 これからアスリートを目指している子供たちにはぜひ、スポーツはいろいろな方々に支えてもらっているからこそできるのだと意識してほしいですね。また、自分で考え、自分で行動していかなければ、継続して活躍することはできません。何事も自分で決めて行動できるように成長してほしいと思います。東京五輪の先も、スポーツの未来は続きます。私自身も、今後も競歩という競技をより多くの人に知っていただき、もっと見たいと思っていただけるように励み続けていきます。

 ◆鈴木 雄介(すずき・ゆうすけ)1988年1月2日、石川・能美市生まれ。33歳。辰口中1年で競歩を始め、小松高時代に全国高校総体制覇。順大を経て富士通入り。20キロは2011年大邱世陸8位入賞。15年3月の全日本能美大会でマークした1時間16分36秒は現在、男女を通じて日本勢唯一の世界記録。50キロは19年秋のドーハ世陸で日本勢初となる金メダルを獲得し、東京五輪代表内定。

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