【有森裕子の本音】忘れないために出来ることを

有森裕子
有森裕子

 あと数日で3月11日。東北地方を襲った東日本大震災から10年がたちます。私は震災以降、代表を務めるNPO法人「ハート・オブ・ゴールド」を通じて緊急支援を行うとともに、被災地の方々との交流もさせていただきました。きっかけは、カンボジアで運営している養護施設(NCCC)の里親さんへの手紙でした。

 震災から間もなくして、NCCCの子供たちから「日本にいる私たちの“お父さん、お母さん”は大丈夫なの?」と心配する声が届いたのです。「この気持ちは大事なことだ」と思い、被災地で日頃、支援してくださっている方と連絡を取り合い、自分たちができることは何かと考え、支援を始めました。「3・11子どもanimoプロジェクト」と銘打ち、宮城・福島両県の学校の復興支援をスタート。ソーラー(太陽光)街路灯や必要な物資などを贈りました。

 今月に入り、メディアなどで震災に関する報道が多くされています。その中で、「10年を一つの節目」としているものを目にします。ただ、どこか災害に「節目」という表現を使っていることが気になりました。なぜなら、一定の時が経過しても「元に戻った」ということでもないからです。

 私たちが被災地の方に対して、「今現在、何ができるのか?」と聞かれた時に、正直に言ってすぐに分からない部分もあります。ただ、現場を忘れず、現状を知ることはできるはず。そして、例えば私が活動している組織を通じて現地の様子や、どのように変化してきているのかをアナウンスすることも改めてできるのでは…とも考えました。

 新型コロナウイルスによって、現地と行き来することが難しくなっています。スポーツイベントなどを通じて、生の声を聞く機会も残念ながら少なくなっているのが現状です。でも、そういう今だからこそ、情報交換の必要性、重要性を強く感じています。(女子マラソン五輪メダリスト)

社会

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