俳優の吉沢亮(27)が実業家・渋沢栄一を演じるNHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜・後8時)の第4回「栄一、怒る」が7日に放送される。
地元の“深谷編”では、前週から少しずつ家業に関わり商才の片りんを見せる栄一が、社会に対する「怒り」を感じるようになる。その一方で、幼なじみの千代(橋本愛)を異性として意識。大人の階段を上り始める。並行する“江戸編”では、侍も町民も大忙し。黒船で来航したペリーをめぐり、幕府の海防参与に任命された徳川斉昭(竹中直人)が江戸城で大暴れ。もの凄い形相で老中、家臣らを困らせる。物語は幕末の混乱へと突き進む。
幅広い視聴者層をターゲットにするだけに、展開が早くテンポがいい。吉沢の肉体美や恋愛模様で女性ファンのハートをつかむ傍ら、竹中や草ナギ剛のシリアスなちょんまげ頭で時代劇好きも飽きさせない。「大人から子供まで、皆さんに楽しんでいただける物語」(脚本の大森美香氏)というコンセプトが伝わってくる。
忘れてはいけないのが「こんばんは、徳川家康です」だ。放送回の冒頭や途中など神出鬼没の“飛び道具”となっている家康(北大路欣也)も一躍、人気者になった。オープニングロールでも「ナレーション」や「語り」ではなく、立派に出演者扱い。登場するたびにネット民は大騒ぎだ。前週の第3回は、初めて家康が冒頭に登場しなかった。時間をおいて現れると、SNSでは「不意打ち家康~」などと盛り上がった。
第3回は、栄一が商売の見学に父(小林薫)とともに江戸へ。地元では原材料をテキパキと買い付ける活躍を見せた。個人的に印象に残ったのは、江戸行きが決まった際、そして買い付けで父にほめられた時に見せた全力ダッシュ。様々な角度から撮影するため、撮影現場ではドローンと一緒に何度も走ったという。初回は、馬を走って追いかけていた。吉沢が放送前のインタビューで「足腰が強くなるくらい走っている」と苦笑いした理由も分かる。
第3回も平均16・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高視聴率をキープ。理由はいくつかあるだろうが、記者同士で話していて共通するのは「明るい作品だよね」という意見だ。
40代になると全力で走る機会が減るからか、他人の全力疾走を見ていると気持ちいい。物語全体を包む明るさの一因は、栄一の走りっぷりだと感じている。(NHK担当・浦本将樹)
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