青学大・原晋監督が実業団のニューイヤー駅伝に挑戦 クラブチーム「絆RC」創設

クラブチームを創設した青学大・原監督
クラブチームを創設した青学大・原監督

 青学大を箱根駅伝で5回の優勝に導いた原晋監督(53)が陸上の競技人口拡大や選手のセカンドキャリア支援など競技発展を目的とした一般社団法人「アスリートキャリアセンター」をたちあげたことが4日、分かった。活動の一環として、クラブチーム「絆ランニング倶楽部(RC)」を創設し、現在、日本実業団陸上競技連合の東日本連盟に登録を申請中。11月上旬の東日本実業団駅伝を突破(今年度は12枠)し、ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)出場を目指す“夢プラン”を明かした。

 原監督が、新春1月2、3日の箱根駅伝に加え、元日のニューイヤー駅伝にも参戦する意欲を示した。

 「今、強い市民ランナーがたくさんいます。彼らにニューイヤー駅伝出場のチャンスを提供したい。また、実業団ランナーのセカンドキャリアにも貢献したい。まだ、現役を続けたいのに実業団チームから戦力外通告を受けた選手は、その企業で一般社員として働きながら自分が納得するまでクラブチームで走ってほしい。実力のある選手で絆RCを創設し、東日本実業団駅伝出場を目指す。近い将来、東日本実業団駅伝を突破してニューイヤー駅伝に出たいですね」。大学駅伝界の名物監督は仰天の“初夢”を明かした。

 青学大にとってもメリットがある。週末や長期休暇期間中、青学大駅伝チームとクラブチームは合同練習を行う予定。「限られた練習環境で高い実力を維持している市民ランナーと一緒に走ることは学生にとって有意義。学びの場になります」と原監督は話す。

 サッカー界では強豪の流通経大が2001年に部内に社会人登録のクラブチーム、竜ケ崎FC(現・流通経大ドラゴンズ龍ケ崎)を創設。従来の学生の大会に参加するトップチームに加え、クラブ化されたチームが社会人の大会に参加することで所属選手の出場機会を大幅に増やした。

 原監督は流通経大サッカー部のシステムを取り入れることも検討中。選手の意志を尊重した上で、学生連盟登録ではなく、クラブチーム登録するアイデアがある。「例えば、まだ20キロを走るスタミナがない選手はその年度は、クラブチーム登録して距離の短い実業団駅伝を目指すことで、スピード強化を図り、その選手の可能性を広げることができる」と原監督は説明する。

 実業団連合は20年度からクラブチーム登録の新制度を設けた。従来の企業チームだけではなく、クラブチームも実業団駅伝に参加できるようになった。昨秋、ニューイヤー駅伝の予選に当たる関西実業団駅伝に二つ、九州実業団駅伝に三つのクラブチームが参戦し、陸上界に新たな風を吹かせた。

 現在のニューイヤー駅伝の出場資格は「日本実業団陸上競技連合に登録されている男子競技者により編成されたチームで、各地区予選を経たチームであること」。昨秋、予選に参加した五つのクラブチームは、いずれもニューイヤー駅伝の出場権獲得に及ばなかったが、今後、強豪のクラブチームがニューイヤー駅伝に出場する可能性はある。絆RCは、その先駆けを目指す。

 「陸上界を、もっと魅力ある業界にしたい。市民ランナーもニューイヤー駅伝に出る可能性があれば、陸上界は盛り上がる。ライバルは野球界であり、サッカー界です。子供も大人も巻き込んで、陸上の競技人口をもっと増やしたい」と原監督は力説する。

 今後、絆RC加入を希望する選手を募集する。原監督は絆RCの代表となり、絆RCの監督も募集する。「意欲のある市民ランナーを歓迎します。その中で実力のある選手はトップチームとして駅伝に参加します」。原監督が率いるクラブチームが本当にニューイヤー駅伝に進出できるか。自他ともに認める日本陸上界の“革命家”の新たな挑戦が注目される。

 ◆原監督の「型破り挑戦」

 ▽テレビ出演 ワイドショーのコメンテーターで準レギュラーを務める。バラエティー番組の出演も多数。

 ▽実業団アドバイザー 2016年から実業団チームのGMOインターネットグループのアドバイザーを兼任。

 ▽大学院生 2017年に早大大学院スポーツ科学研究科に入学。1年後、最優秀論文賞を受賞した。

 ▽大学教授 2019年に青学大地球社会共生学部の教授に就任した。

 ▽社外取締役 今年から幼稚園やスポーツクラブなどを運営する「株式会社バディ企画研究所」の社外取締役を務める。

 ◆原晋(はら・すすむ) 1967年3月8日、広島・三原市生まれ。53歳。世羅高3年時に全国高校駅伝4区2位。中京大3年時に日本学生5000メートル3位。89年、中国電力陸上部に1期生で入社。27歳で競技引退。その後、抜群のアイデアと行動力で実績を残し「カリスマ営業マン」と呼ばれた。2004年、青学大監督に就任。09年に箱根駅伝史上最長のブランク出場となる33年ぶりの復活出場に導く。箱根駅伝は15年に初優勝し、18年まで4連覇。20年に5度目の優勝。出雲駅伝は優勝4回(12、15、16、18年)。全日本大学駅伝は優勝2回(16、18年)。学生3大駅伝で計11勝。16年度は3冠を成し遂げた。

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