体操W杯平均台3連勝中・芦川うらら、卒業式迎え東京五輪一直線

スポーツ報知
卒業証書を授与される芦川(左)

 常葉大常葉の卒業式が3日に行われ、体操W杯種目別平均台で3連勝中の芦川うららが出席した。大学進学せず、静岡に拠点を置きながら出場が有力な東京五輪に向けての決意を新たにした。「2020」ナンバーの車を運転し、娘の競技生活を支える母の孝子さんも門出を見送った。1月の全日本高校女子サッカー選手権で、2年連続5回目の優勝を飾った藤枝順心の3年生も卒業した。

 芦川の門出を、抜けるような青空が祝福した。「うれしい気持ちもあるし、3年間一緒に過ごした友だちと離れるさみしさもある」。19年から種目別の平均台でW杯3連勝、日本選手権初Vと飛躍した。競技に追われる生活で、高校時代の思い出は友人との日々の会話。「海外遠征に行くときに応援してくれて、結果を出したら『頑張ったね』って声をかけてくれるのがうれしかった」。進学せず、水鳥体操館の所属選手として東京五輪を目指す17歳は「静岡の代表として五輪を迎えるという決断をしたので、覚悟を持って頑張ります」と決意を口にした。

 競技生活を支える家族も晴れの日を見守った。母・孝子さんは約10年間、富士市の自宅から静岡市の水鳥体操館まで迎えに来ており「『ちょうど10年で終わる』と思っていたのですが、11年目に入りました」と式後に笑った。この間、3台の自動車を乗り換えており、2台目の総走行距離は20万キロに達したという。

 実はその2台目には、運命を感じさせるものがあった。「2台目のナンバーがたまたま『2020』で『東京五輪だね』なんて言ってたんです。だから3台目も(応援する意味を込めて)同じナンバーを選びました」。大会は1年延期されたが、母娘の思いは卒業という節目の先へ続いていく。

 3月に予定されていたW杯の最終戦は延期。次戦は4月の全日本個人総合選手権となり「他の種目も強化しないといけない」と芦川。4日からは午前中に自宅でランニングや表現力を養う事を目的としたダンスのレッスンを行って、午後から水鳥体操館で練習する。静岡から大きな舞台を目指す日々の始まりに「体操に時間をかけて、もっと良い自分を作れるように頑張ります」と誓った。(内田 拓希)

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