女流王位戦で初のタイトル挑戦を決めた山根ことみ女流二段「チャンスへの準備を」

山根ことみ女流二段(日本将棋連盟提供)
山根ことみ女流二段(日本将棋連盟提供)

 将棋の第32期女流王位戦挑戦者決定戦が2日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、後手の山根ことみ女流二段(22)が伊藤沙恵女流三段(27)に192手で勝ち、自身初のタイトル挑戦権を獲得した。4月27日に開幕する五番勝負で里見香奈女流王位(29)=女流名人、清麗、倉敷藤花=に挑む。

 終盤は相入玉模様に。200手超えも見えた大激戦を制し、絶好調の新星が晴れ舞台に上がることになった。タイトル戦に過去7度登場、今期も本局まで勝率1位タイと常に安定した力を発揮するトップ女流棋士の伊藤との力勝負を制し、堂々と初挑戦を決めた。

 以下、質疑応答。

 ―初めてタイトル戦の舞台に立つ。

 「挑戦権を得られたことをすごく嬉しく思います。持ち時間4時間の将棋は指したことがないので楽しみですし、里見さんとの五番勝負なので勉強して臨みたいです」

 ―挑戦者決定戦がそもそも初めてでしたけど、意識は。

 「緊張せずにいつも通り臨めました」

 ―伊藤女流三段との激闘を制しての挑戦権に。

 「中盤あたりから自信がなくてずっと悪いと思っていたので、どこで逆転したのかは分からないです。いつもなら心が折れてしまうところもあったんですけど、本局は粘ろうと思った気持ちが良かったのかなと思います」

 ―好調の理由は。

 「コロナ禍でVS(練習将棋)や研究会が減ってオンラインになって、対面で指せるのは公式戦くらいでした。大切に、大事に指そうと思いながら、一局一局が楽しみだったので、のびのびと手が伸びて(積極的な手を指すこと)います。将棋を指せる有難味を感じていることが大きいのでは、と思います。もちろんコロナ禍になってマイナス面も多いですけど、なんとかストレスをためずに生活できています」

 ―里見さんのイメージは。

 「私が女流棋士になる前からトップにいる方で、ずっと目標にしてきました。受けが強くて厚い将棋なので、攻め将棋の私とは全く違う棋風です。過去の2局はどちらも内容の良くない将棋で、攻めを切らされて負けてしまいました。今回、少なくとも3局は指せるので、内容の良い将棋を指せるよう準備して、成長できる番勝負にしたいです」

 ―直前に連勝が途切れてショックは。

 「もともと17連勝も積み重ねられるとは思わず、望外な結果でしたので。(連勝がストップした)甲斐(智美女流五段)さん戦では秒読み(一分将棋)で集中力が切れてしまったのですが、今日は気を引き締めて秒読みでも集中できました」

 ―各地を転戦する。楽しみな場所はあります?

 「全部楽しみなんですけど…札幌が好きなので非常に嬉しいです」

 ―現在の女流棋界は女流四冠の里見さんと女流三冠の西山朋佳さんがタイトルを独占している。その中で挑戦することについては。

 「かなり厚い壁だと思いますが、まずは成長することが一番なので、番勝負の中で成長してトップのお二人に少しでも近づけるように精進したいです」

 ―故郷・松山のファンの皆さんも喜んでいるはず。

 「なかなか愛媛に帰ることも出来ていなくて良い報告ができればと思っていたので、一歩前進できたことはすごく嬉しく思います」

 ―女流棋界には「終盤は山根さんに聞け」という言葉もあるとか…。

 「いや~、終盤力が強いとは全く思っていないです…。序盤がヘタで、すぐ悪くなるので勝つには逆転しかないんです。で、逆転勝ちが多いから終盤が強いと言われているだけかと…。直したいなと思っているので、今は序盤の研究に力を入れています」

 ―自分の力の手応えは変わってきているのか。

 「以前なら挑戦者決定戦まで進めたら満足、実力以上だと思っていたんですけど、目標だった挑戦者になれたので、次はタイトルを取ることも見えてきたと…。チャンスへの準備をしたいです」

 ―五番勝負では和装されるのでしょうか。

 「小学生の頃、清水(市代女流七段)さんの和服での対局姿がカッコイイと思いましたし、憧れはあるんですけど、着慣れてないので要検討ですね」

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