8年ぶり自己新の川内優輝「2時間5、6分台も見えた」 つかんだ手応えとその裏側

スポーツ報知
自己記録を更新したレースから一夜明け、取材に応じた川内優輝

 2月28日のびわ湖毎日マラソン(滋賀・皇子山陸上競技場発着)で8年ぶりの自己新記録となる2時間7分27秒で10位だったプロランナーの川内優輝(33)=あいおいニッセイ同和損保=が1日、大津市内で取材に応じた。

 興奮のレースから一夜明け、穏やかな表情を見せた川内。「コンディションとしては、びわ湖に神様はいましたね」と、これ以上ないほどの気象条件に恵まれたびわ湖“最終回”を振り返った。レース中盤まで第2集団で走り、終盤は持ち前の粘りで順位を上げると、2013年ソウル国際での記録を47秒更新。「ペースメーカー(PM)を務めた野中君(優志、大阪ガス)のペースメイクが神がかっていた。1キロ3分、5キロ15分というのを忠実に守って、風向きやアップダウンがあっても調整してくれた。本当に完璧ですよ」。2月の大阪国際女子で自身もPMを務め、その難しさを体感したからこそ、感謝の言葉が並んだ。

 アドバイザリースタッフ契約を結ぶアシックス社の厚底シューズで初めてフルマラソンに挑んだ。プロトタイプのため詳細は伏せたが、「とにかく跳ねる。感覚としては(すでに発売されている)メタレーサーとは別物。前のめり気味になっていたフォームも修正されて、呼吸も楽になりました」と実感。多くのランナーが厚底シューズの効果について「後半も脚が残る感じ」とクッション性の恩恵を語る一方、百戦錬磨の男は「自分はそことは違う効果が得られたと思います」。元々後半の粘りが持ち味の川内なだけに「脚が残る感じよりも、厚底シューズによって全盛期に近いスピードを取り戻せたことが大きい。リズムを保って『ポンポンポン』と接地して足を回していくような感覚。1キロ3分というペースでの余裕度が全く違った」と分析した。

 これまでは毎週のようにレースに出場するスタイルだったが、コロナ禍で大会が激減。その分、北海道や高地などでの合宿なども取り入れた。さらに、練習拠点の近い実業団・コモディイイダの練習にも参加。「1人ではできなかったであろうスピード練習も、一緒に取り組むことでクリアできたりした。高速化するレースの中で、スピードの常識をコモディでの練習が変えてくれました。本当にありがたいことです。厚底シューズもそうですが、スピードが戻ったことが今回の結果につながったと思います」と感謝は尽きない。

 念願の2時間7分台をマークしたが「5、6分台も見えました」と手応えをつかんだ42・195キロ。「第2集団で一緒に走っていた細谷君(恭平、黒崎播磨)が最終的には3位、しかも2時間6分35秒ですから、彼の動きに対応できるだけの力をつければ、もっと上を目指せると思います」。当分、記録を狙うマラソンは開催されないが、秋に行われるボストンか東京、さらに12月の福岡国際や防府あたりがターゲット。「(自分と同じ)1986年世代である阿久津君(圭司、スバル)や伊藤君(太賀、スズキ)、松村君(康平、三菱重工)などは今回のレースで引退と聞いています。同期がいなくなるのは寂しいですが、一方で佐藤悠基君(SGホールディングス)はニューイヤー駅伝で区間賞。自分もまだまだやれるし、そういう背中を見せていきたい」と探究心は尽きなかった。

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