【東日本大震災10年語り継ぐ】宮城・塩釜市出身の大友康平、復興ライブ「GAMA ROCKずっと続ける」

音楽を通して被災地支援を行ってきた塩釜市出身の大友康平
音楽を通して被災地支援を行ってきた塩釜市出身の大友康平
宮城県塩釜市
宮城県塩釜市

 俳優でロックバンド「HOUND DOG(ハウンド・ドッグ)」のボーカル・大友康平(65)は、音楽で東北にパワーを送り続けている。宮城・塩釜市出身で、仙台市の東北学院大学在学中にバンドを結成。東北への思いは人一倍強い。復興支援をテーマに掲げる地元の「GAMA ROCK FES」に毎年出演し、チャリティーソングを届けている。(水野 佑紀)

 2011年3月9日、岩手県内でNHKの番組ロケを行っていた大友は、東北を襲った震度5弱、マグニチュード7・3の地震に遭遇した。東日本大震災の前震だった。

 「電信柱が揺れているのにビックリしました。『怖いね』って言っていた。あれが前触れだったのか…」

 その2日後に未曽有の災害が発生。もう、居ても立ってもいられなくなった。震災直後から東北のラジオ局などの電話・ビデオ取材に出来る限り応じ、東京から激励のメッセージを送った。同年4月、視聴者の強い要望を受けて日本テレビ系「スッキリ!」に出演。名曲「ff(フォルティシモ)」の生歌唱をささげた。

 「『ff』は僕の歌い方もあるかと思いますが、メッセージソングとして認識されている。アーティスト冥利(みょうり)につきますね。後日、サウナに入ったら年配の男性から『感動しました』と声をかけていただきました」

 同月、生まれ故郷・塩釜に震災後初めて足を踏み入れた。毎年訪れていた「康平」の名を命名してもらった鹽竈(しおがま)神社周辺に向かったが、その途中の町並みは一変していた。「お世話になったラーメン屋、お茶屋、お花屋が津波でひとたまりもなかったことがショックでたまりませんでした」

  • 「GAMA ROCK FES」に参加し、笑顔を浮かべる大友康平(2018年9月22日撮影=所属事務所提供)
  • 「GAMA ROCK FES」に参加し、笑顔を浮かべる大友康平(2018年9月22日撮影=所属事務所提供)

 変わり果てた思い出の地に胸が苦しくなった。それでも、自分を鼓舞して避難所を訪問。炊きだしを行い、「上を向いて歩こう」「ff」をアカペラで披露した。大友の行動を聞きつけた同市出身の写真家・平間至氏に誘われる形で、市内のショッピングモールの駐車場で同じく2曲を歌った。

 「歌に元気付けられ、癒やされる。前向きな雰囲気が漂っていました。若い人は僕が塩釜生まれって知らなくて、『へ~』って言ってくれたり」駐車場でのライブは翌年から「GAMA ROCK」として生まれ変わり、塩釜の恒例行事として毎年開催されている。

 11年6月には、チャリティーソング「ハガネのように 花のように」を発表した。同曲と「ff」は復興に関するイベントでは毎回大切に歌ってきた。「GAMA ROCK」は毎年出演し、被災地に歌声を届け続けてきた。しかし昨年は新型コロナの影響でオンライン開催に。今年も依然、見通しはたたないが、「1人でも多くの方が安心安全な状況で楽しめる状況がきてほしい。ゆる~いフェスで、雰囲気がいいんですよ。ずっと続けないとダメだなって思っています」と力を込めた。

 ◆塩釜市の被災状況 東日本大震災で最大震度6強を観測。4メートルの津波が発生し、沿岸部の住宅や漁船などが被害に遭い、市民47人が犠牲となった。また、18人が関連死と認定されている。最大避難者数は8771人にも及んだ。

 ◆大友 康平(おおとも・こうへい)1956年1月1日、宮城県塩釜市生まれ。65歳。76年、東北学院大在学中に6人組のハウンドドッグを結成。80年「嵐の金曜日」でデビュー。代表曲に「ff」「BRIDGE」など。熱狂的な巨人ファンで、99年には松井秀喜氏や西武・松坂大輔らがコーラスに参加したチャリティーソング「DO IT」を発表した。

音楽を通して被災地支援を行ってきた塩釜市出身の大友康平
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「GAMA ROCK FES」に参加し、笑顔を浮かべる大友康平(2018年9月22日撮影=所属事務所提供)
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