【記者の目】山下泰裕会長が隠蔽したと取られても仕方ないだろう…全柔連パワハラ疑惑

山下泰裕会長
山下泰裕会長

 全日本柔道連盟(全柔連)の前事務局長が、複数の職員に対して威圧的な言動を繰り返すなど、パワーハラスメントが疑われる行為を繰り返していたことが26日、明らかになった。これを受け、山下泰裕会長(63)が都内の講道館で記者会見し、「私の責任が非常に大きい。職責を果たせなかった」と陳謝。日本オリンピック委員会(JOC)会長などとの兼務の難しさを挙げ、全柔連会長の辞任を示唆した。

 山下氏の今回の対応はお粗末で、隠蔽したと取られても仕方ないだろう。全柔連では、13年に女子強化選手にパワハラがあったことが発覚、助成金の不正受給にまで問題が拡大、首脳陣総退陣にまで及び、大問題となった。山下氏は当時、理事であり、全柔連が負った事態の深刻さを痛感したはずだが、その反省を生かしきれなかったと言わざるを得ない。

 山下氏は、JOC会長に就任した19年には、公の場で話せない内容が多く本音の議論ができないと、報道陣に対して理事会を非公開にした。先の、森喜朗前会長辞任に伴う東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長を選ぶ候補者検討委員会も非公開となり、透明性を欠いたが、非公開を主張したのは山下氏だった。今回も含め、山下氏の一連の行動は密室で物事を決めようとしているように映り、時代と逆行している。

 東京五輪まで5か月を切った。世論調査では中止、延期を合わせると約8割を占め、コロナ禍の中、開催への機運は一向に盛り上がってこない。その逆風を、賛同の空気に変える役割の一端を担っているのはJOC会長だ。その姿勢を国民は厳しく見ている。(久浦 真一)

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