◆練習試合 ヤクルト5―10巨人(23日・浦添)
巨人・松原聖弥外野手(26)が3ランを放った。1点リードの2回1死二、三塁。原の初球、高め直球を豪快に振り抜き、右越えに特大弾をたたき込んだ。
その場にいた誰もがスタンドインを確信した。そのくらい大きな当たりだった。松原の強烈な打球は、すさまじいスピードで右翼フェンスを越えた。「ランナー二、三塁だったので高めにゾーンを上げて最悪、外野フライを打てるようにという意識でいった。甘かったので思い切っていって、最高の結果だったので良かった」。1点リードの2回1死二、三塁。原の初球、高めの直球を豪快に振り抜いた瞬間、球場から「うおぉ~!」と仲間たちの雄たけびが上がった。松原はダイヤモンドを軽快に一周すると、本塁を踏んで「よっしゃー!」と笑顔を見せた。
オフの努力が結実した。昨シーズン後、同じ左打ちの石井野手総合コーチから「(打撃で)左手の使い方をオフで取り組んでやってこい」と“宿題”をもらった。バットの使い方をもう一度見直し、軸となる右手に加えて「左手でもバットを扱えるように」と、しっかりと最後、左手で押し込むことなどを意識してバットを振ってきた。この日は元巨人・川相昌弘氏=スポーツ報知評論家=が視察に訪れ「結構、川相さんが来てる時は打てるので、今日は打てるなぁと思いました」と笑った。
8回先頭では中前安打を放つなどマルチ安打の活躍だが、外野手争いは激しさを増すばかりだ。梶谷、テームズが新加入。この日は途中出場だった八百板が二塁打、石川が代打で中前安打を放つなど猛アピール中だ。松原の特大弾の後、ベンチで腕を組みながら白い歯を見せた原監督は「競争だからね。(八百板)卓丸もいいバッティングをしているし、安心できるところではないだろうけど素晴らしいホームランでしたね」と褒めつつも、さらなる飛躍を期待した。
今季から憧れの松本2軍野手総合コーチが現役時代に背負った番号「31」を継承。「考えすぎずに、自分のやるべきことをしっかり全うして、レギュラー取れるように頑張ります」と足元を見つめ、定位置奪取へ燃える。(小林 圭太)