【清水】ロティーナ新監督、合流1か月 “ミリ単位”の精密守備吸収

身ぶり手ぶりを交えて選手に指導するJ1清水のロティーナ監督
身ぶり手ぶりを交えて選手に指導するJ1清水のロティーナ監督

 いよいよJリーグは開幕間近。J1清水は27日にアウェー鹿島戦(カシマ・15時)に臨む。ミゲルアンヘル・ロティーナ監督(63)は16位と低迷した昨季からの巻き返しへ、今季就任。リーグ最多70失点を、数センチ単位での位置取りによる鉄壁守備で立て直す。(取材・構成=森 智宏)

 先月の23日、新型コロナウイルス対策による隔離期間を終えて合流。チームを初めて直接指導してからちょうど1か月。ロティーナ新監督が掲げたのは、隙の無い守備だった。

 「我々はゾーンで守ることを意識している。選手にとっては今まではワンツーやミックスでやっていたりした人もいるが、隙をつくらせない守備を心がけ、戦術を落とし込んできた」

 1センチ、1ミリも狂わないポジション取りを要求。選手は当初、「体よりも頭が疲れた」(先月27日、常葉大との練習試合後のMF中村)と話していたが、最近では「よりスムーズに動けるようなってくると、不安なくポジショニングも取れる」(今月19日の練習後のMF河井)。相手ボールに対してチェックに行く際の「オレが行く」の声も迷いがなくなるなど、選手同士が連係。スタイルが浸透してきたようだ。

 「前からプレスをかけて、早くボールを奪う事が理想。マイボールなら、我々が主導権を握る時間が長くなる。ただ毎回それができるわけではないので、相手にボールを奪われた時に、選手がコミュニケーションを取って、ボールを奪いに行くタイミング、選手のポジショニングが重要になってくる」

 C大阪で19年に5位、20年は4位。失点を減らし、チームを上位に導いてきた。エスパルスでもC大阪の「再現」を期待したい。

 「私の記憶をたどると、C大阪と全く同じではないが、ほぼ近い仕上がり状況だと思う。チームもメンバーも違うし、置かれた状況も違うが、よく似ているという印象を持っている」

 DF片山はC大阪で2年間一緒に戦った、「ロティーナの頭脳」の一人。報道陣に公開された全ての練習試合に左サイドバックで先発出場。チームには欠かせない存在だ。

 「本当に良い選手。C大阪で1年目に見た時は、準レギュラーだったが、2年目からレギュラーをつかみ、私のサッカーを良く知っている。周りの選手に伝える事もできると思う。複数のポジションをこなすことができて、そういった能力を持っている選手は、チームにとってもプラスだし、大きい存在だと思っている」

 10日間の鹿児島キャンプで、指揮官は常に一番にグラウンドに入り、精力的に動いた。今月6日のJ2磐田戦は主力組が出場した2本目までは無失点(0―0)。9日のJ2松本戦は、主力組が出場した2本目までは、4―1と攻守で圧倒。実戦で結果が出ている。

 「キャンプでは、実戦2試合を経験でき、たくさんの良い面が見られた。毎日毎日有効に使った。チームとして目標を明確にでき、正しい道を歩んでいる。あとは良い状態で開幕を迎えるために、90分間試合ができる体に仕上げていく」

 新型コロナウイルスの影響で、練習なども含め、今までと状況が一変。だがコロナ禍でも工夫しながら過ごしている。

 「全ての人たちが厳しい状況に置かれていますが、我々ができることは、一人一人にできることをやって、早い収束を祈りたい。外出もできない状況だが、選手はしっかり意思疎通が出来ている」

 始動当初と比べ、練習後に見る選手の表情もすっきりしている。コメントも「完成度8割」(2年目となる守備の要、DFバウド)、「どうやって守れば良いという優先順位が明確にできている」(19日の練習後のFW指宿)と前向きだ。4チームがJ2降格する厳しいシーズンだが、新生エスパルスは迷いなくシーズンに突入する。

 ◆ミゲルアンヘル・ロティーナ 1957年6月18日、スペイン出身。63歳。スペインリーグのセルタ、エスパニョールなど強豪チームの監督を歴任。14年~16年、カタールのアルシャハニア監督を経て、17年J2東京V監督就任。2年連続J1参入プレーオフに導いた。19年J1・C大阪監督就任。19年は5位、20年は4位。

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