不適切行動で退職勧告の時津風親方に反省の色なし…芝田山広報部長「申し訳なかった感じ受けなかった」

時津風親方
時津風親方
相撲協会の処分
相撲協会の処分

 日本相撲協会は22日に東京・両国国技館で臨時理事会を開き、1月の大相撲初場所期間中にマージャン店へ行くなど協会の新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反した時津風親方(元幕内・時津海)に退職勧告を出した。退職金は30%減額。既に提出されていた退職届は同日付で受理された。時津風の名跡と部屋は、同部屋付きの間垣親方(元幕内・土佐豊)が継承することも承認された。

 不適切な行動で問題を起こした時津風親方に出された処分は退職勧告だった。協会のコンプライアンス委員会の調査によると、親方は外出を原則的に禁じられていた1月18~22日の5日間にわたって東京・赤坂のマージャン店に出入り。当初本紙の取材に対して否定していた新橋の風俗店へ同20日に行っていた事実も明らかにされた。また同23、24日には赤坂のマッサージ店にも行っていたという。

 時津風親方は昨年9月にも都内から宮城県に出向き、居酒屋で友人と飲食し、ゴルフコンペに参加。同10月に委員から年寄へ2階級降格処分を受けた。八角理事長(元横綱・北勝海)からは同様の違反を繰り返した場合、さらに厳しい処分となることを諭されていた。その中での今回の行動に、コンプラ委は「反省の態度や師匠としての自覚などみじんも見て取ることはできず、厳しい非難に値する」と断じた。

 初場所はコロナ陽性者が出た影響で協会員83人(力士65人)が休場した中、15日間を終えた。コンプラ委は外出で感染し、拡大した場合は初場所中止にもつながりかねず、行動は非常に危険で、あまりに身勝手と指摘。反省して既に退職届を提出していることなどの事情を最大限考慮しても、協会に在籍させるべきではないとして、退職勧告が相当と結論づけた。

 答申を受け、理事会は退職勧告の懲戒処分と併せて退職金の30%減額も決定。理事会には時津風親方も呼ばれ、八角理事長から処分内容を告げられた。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)によると、理事長から「何か言うことはないか」と促され「すみませんでした」などの謝罪があった。ただ同部長は「私の(見た)感じとしては、申し訳なかったという感じは受けなかった」と私見を述べた。

 退職に伴い、部屋付きの間垣親方(元幕内・土佐豊)が時津風の名跡と部屋を継承することも決まった。新師匠のもとで大関・正代ら力士は春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向かうことになる。

 ◆時津風 正博(ときつかぜ・まさひろ)本名・坂本正博。元前頭3枚目・時津海。1973年11月8日、長崎・五島市生まれ。47歳。東農大から時津風部屋に入門。96年春、初土俵。98年秋、新入幕。技能賞4回。2007年6月に起きた力士暴行死事件で、先代の時津風親方(元小結・双津竜)が解雇されたのに伴い、07年10月に引退して年寄・時津風を襲名し部屋を継承。幕内通算322勝385敗43休。

 ◆間垣 祐哉(まがき・ゆうや)本名・森下祐哉。元前頭筆頭・土佐豊。1985年3月10日、高知・土佐市生まれ。35歳。高知工時代に高校横綱となり、東農大を経て時津風部屋から2007年春場所初土俵。08年春場所で新十両、09年名古屋場所で新入幕。16年初場所限りで引退した後は、時津風部屋付きの親方として後進を指導していた。幕内通算90勝111敗24休。妻はマジシャンの小泉エリ。

 ◆角界のコロナ対策ガイドラインと過去の違反 日本相撲協会が昨年まとめた行動指針には、「基本的に外出禁止とし、不要不急の外出をしない」と明記されているほか、協会から定期的に外出に関する指針が各部屋に通達される。本場所後2週間は協会員以外との外食も認められるが、場所前2週間の番付発表以降は、原則外出禁止となる。

 昨年7月場所中のキャバクラ通いなどが発覚した当時幕内の阿炎(錣山)は、この指針に違反で「出場停止3場所および5か月50%の報酬減額の懲戒処分」。同場所中に外食時の居眠り写真がネット上で拡散した田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)と、同秋場所前の外出禁止期間中に複数回、家族と外食した松ケ根親方(元幕内・玉力道)は、ともにけん責処分を受けた。

 ◆角界の主な不祥事

 ▼時津風部屋力士暴行死事件 2007年6月、序ノ口力士の斉藤俊さん(享年17)が、元時津風親方の山本順一氏(享年64)の指示で兄弟子数人から暴行を受け死亡。山本氏は同年10月に解雇された。

 ▼野球賭博 10年5月、複数の力士の野球賭博が発覚。関与していた大関・琴光喜と当時の大嶽親方(元関脇・貴闘力)が解雇された。

 ▼八百長メール 11年2月、複数の力士がメールで八百長の取引をしていたことが発覚。20人以上が引退勧告などの処分を受け、同年春場所は中止。夏は技量審査場所として開催された。

 ▼日馬富士暴行 17年10月の秋巡業中に、横綱・日馬富士が幕内・貴ノ岩を暴行。日馬富士は責任を取り、11月に引退届を出し受理された。

 ▼貴ノ岩暴行 幕内・貴ノ岩が18年12月の冬巡業中、付け人に暴行。責任を取り、協会に引退届を出し受理された。

 ▼貴ノ富士暴行 19年8月、十両・貴ノ富士が付け人に暴行や暴言。責任を取り、引退届を出し受理された。

◆YouTube出演でマージャン店として営業していないと主張

 〇…時津風親方は、この日公開された犯罪ジャーナリスト・小川泰平氏のYouTubeチャンネルに登場した。収録は処分が決まる前の1月下旬に行われたとされ、マージャン店は「仲間内で集まってやるようなところ。2卓あるが1卓しか動いていない」などと店として営業していないと主張。ただガイドライン違反は認め、退職する意向も明かして「正代もいるし。時津風部屋がますます発展してほしいという気持ちもある」などと語っていた。

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