【オリックス】“なんくるないさー精神”でブルペン支える鉄腕・山田修義

オリックス・山田修義
オリックス・山田修義

 2年連続最下位の屈辱からの巻き返しを期して、宮崎春季キャンプではナイン1人1人が懸命に汗を流している。21日で練習が打ち上げとなり、休日を挟み23日からは主力メンバーが振り分けられたA組でも対外試合がスタート。いよいよ、開幕に向けた“本番モード”へ移行する。

 担当2年目の記者が、このキャンプで注目していた選手の1人が山田修義投手(29)だ。オリひと筋、プロ12年目を迎えたベテランセットアッパー。ここ3年間の登板試合数は30→40→48と存在感をしっかり示してきた。下位に沈むチーム状況もあいまってその活躍ぶりが日の目を見ないが、昨季は自己最多18ホールドを記録。今やブルペンに欠かせない左腕だ。

 「チームに貢献できたら、それが一番。(役割は)本当にどこでもいいし。1軍で投げ続けられるなら、どんなポジションでも頑張って投げます。あまり“日の目”とかは気にしないですよ」。穏やかな口調で、端正な顔立ちに優しい笑みをたたえる。マウンドの姿とのギャップ。あまりのさわやか好青年ぶりに、もっと評価されていいのに!と、こちらがもどかしくなるほどだ。しかし、その表情の裏には苦境を乗り越えてきた芯の強さが隠れている。

 福井県出身で2009年に同県・敦賀気比高からドラフト3位で入団。当初は先発起用だったが結果を残せず、14年には痛めていた左肘にトミー・ジョン手術を受けてオフには育成契約となった。約1年に及ぶリハビリを経て、15年7月に支配下復帰。16年にはプロ初勝利を挙げるなど2勝をマークしたが、17年は0勝に終わった。

 18年のシーズン途中に敢行された救援への転向が、転機となった。8月だけで18試合に登板し、NPBの月間最多タイ記録をマーク。そこから昨季までの3シーズン、安定した成績を残して確固たる地位を自らの力で築いた。

 どん底の日々を振り返ってもらったが、柔和な表情は崩れなかった。「(手術となり)最初はちょっと落ち込んだかもしれないですけど。まあ1年間はリハビリと決まっているんで、次に投げられる実戦に向けて、前しか向いていなかったですね。手術した方がいいのかどうかは悩んだというか、考えたけど、決まってからは特に切り替えに時間もかからなかったですね」

 この前向きさが、救援として成功を収められている要因の1つに感じた。登板して打たれたときの気持ちの切り替え方について「反省はするけど、結構なかったことにしますね。投げたけど、投げてないって思い込むというか。今日はもうなかったことにして、明日また頑張ろうと」とさっぱり。自身の性格を「マイペースだと思います。結構、割り切りますね。考えても仕方ないと。引きずらないですね」と笑った。

 いまでこそタイトルも設定されて、地位が向上したとされる「救援」のポジション。しかし連投や、それに備える調整、自己管理の難しさなどとはかりにかけると、まだまだ評価されきっていないと思える。それでも、気にも留めない。「難しいとは考えていないですね。よく、中継ぎの方がしんどいとか言われるんですけど、僕は毎日でも投げていたいと思う方なので。間隔があくほうがイヤです。打たれても反省しつつ、次に生かすしかない。沖縄の考え方みたいな感じです。なんくるないさー。なんとかなるっしょ、という感じでやっています」

 苦しい時期の話題も振ったが、取材中は終始、明るい空気感が漂っていた。聞き手のこちらが楽しくなり、元気をもらえるような雰囲気の持ち主。最後の質問に、プロらしい誇りをチラッとにじませたのにも、また好感が持てた。質問は「目立ちたくはないのか?」

 「目立ちたくないことはないですけどね。でも、緊張しいなので。口ベタやし。プレーでは目立ちたいですね」。試合終盤1点リードのしびれる展開でマウンドに上がり、軽やかな投球術で無失点に抑えて静かにベンチに消える―取材をして、確かにピッタリの活躍舞台かもしれないと思った。その背中に、大きな声援を送るファンが増えることを期待したい。(宮崎 尚行)

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