【東日本大震災10年語り継ぐ】優希美青、故郷・福島「元気づけたい」…「あまちゃん」出演で被災地から反響

「ともに頑張っていきましょう」と訴えた優希美青(カメラ・清水 武)
「ともに頑張っていきましょう」と訴えた優希美青(カメラ・清水 武)

 2012年の第37回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、翌年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に出演した女優・優希美青(21)は福島県沿岸部出身で、小学5年、11歳の時に被災した。海から離れた高台に住んでいたため、家族や親戚、愛犬2匹は全員無事だったが、家は散乱し、避難所生活も経験した。「地元を元気づけたい」と芸能界の門をたたいた優希が、震災当時の体験を振り返った。(増田 寛)

 あの日、小学5年生の優希は体育の授業中で、校庭を走り回っていた。「サッカーをしていて、最初は全く地震が分からなかったです。津波警報のサイレンも鳴りました。でも、地震は今までにもあり、いつものことだと思っていたら、電信柱の電線が縄跳びみたいにぐるんぐるん回り始めました」。屋根から落ちる瓦や、同級生たちの叫び声を聞いて事態の大きさに気付いた。

 1学年下の弟とは校庭で合流することができたが、「泣きじゃくる弟をなだめることに必死でした。本当は私も大泣きしたかった」。両親は仕事で連絡が取れず、迎えに来る人はいなかった。集団下校で30分以上かけて弟と自宅に戻ったが、飼っていたミニチュアダックスフント2匹がいなくなっていた。食器は全て割れ、部屋はゴミ箱のようになっていた。

 父は日が沈まぬうちに戻ってきた。どこかで見つけたという愛犬2匹を抱えていた。母は職場が津波の被害を受け、帰って来られなかった。「母と電話できた時に『お母さん、まだ帰れないけど、弟をお願いね。頑張れる?』と言われて、頑張れないよぉと泣いたのを覚えてます」。父は再び仕事のため家を出たため、3月11日は、いとこ一家と一夜を明かした。

 体育館での避難所生活も体験した。動物厳禁のため、愛犬は車で生活。余震のたびに目が覚め、心は休まらなかったという。「段ボールをついたてにして、部屋みたいにしてました。食料配給もありましたが、子供の私が並んでいると、大人たちが私の前に横入りしてきたり。早く家に帰りたくて仕方なかったです」

 2週間で避難所から自宅に戻り、学校も再開。しかし、戻ってきた同級生は半分ほどだった。「友達が生きているのか、避難しているのかも分からず、先生も教えてくれず。寂しかった」。半年後に一家で山形県へ避難。このため、今もほとんどの同級生と連絡が途絶えたままだ。

 「地元を元気にしたい」。ホリプロスカウトキャラバンのグランプリに輝き、13年の朝ドラ「あまちゃん」に東北出身のアイドル役で出演。すると被災地から大きな反響があった。「ファンレターが東北の方からたくさん来ました。『私たちの気持ちを代弁してくれた』という言葉が多く、とにかくうれしかった」

 今月13日には震度6強の地震が福島を襲った。「当時の記憶がよみがえりました。何年たってもトラウマです」。心の支えは同じ被災者たちだ。「つらい思いをしたのは一人だけではありません。共に頑張っていきましょう」

 ◆優希 美青(ゆうき・みお)1999年4月5日、福島県生まれ。21歳。2012年に芸能界入りし、13年に日本テレビ系ドラマ「雲の階段」で女優デビュー。同年、「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」(林弘樹監督)で映画初主演した。俳優・井上祐貴(24)とのダブル主演映画「NO CALL NO LIFE」(3月5日公開)が控える。

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