◆練習試合 日本ハム5―2中日=特別ルール=(21日、名護)
日本ハムの宮西尚生投手(35)が21日、今季初実戦となった練習試合・中日戦(名護)で後輩へ最高のお手本を示した。6回から登板し、全11球直球で3者凡退に抑える貫禄の投球を披露。数日前から直球の使い方について質問を受けていた3年目右腕・吉田が一塁ベンチ横で熱視線を送っていたこともあり「こうやって抑えるんだぞと。ちょうど見ていたので自分でプレッシャーをかけながら投げました」と笑みを浮かべた。
歴代最多358ホールド、現役最多734試合登板、13年連続50試合登板を誇る職人は、1球ごとに打者のフォームを察知しながら、自分の足を上げるタイミングや間合いを変えて直球という1球種に彩りを加えた。「やっぱり抑え方というのはある。それを(吉田)輝星はすごく勉強しよう、つかもうとしている部分があるので、少しでも参考になってほしいな」。11球の中に熟練の技を詰め込んだ。
チームが5年ぶりのリーグ優勝するためには若手投手陣の底上げは必要不可欠。だからこそ「気づいて、引き出しをどんどん増やしていってくれればと思いますし、そういうことをやってあげられるのが今の自分の立場」。マウンド上で示した投球術は、エース候補の目にきっと焼き付いたはずだ。(後藤 亮太)