【札幌】Jリーガーに学ぶ 教えることの大切さ

沖縄キャンプでの居残り練習で仲間に指示を出すJ1札幌MF小野伸二
沖縄キャンプでの居残り練習で仲間に指示を出すJ1札幌MF小野伸二
居残り練習する若手の様子を見守るJ1札幌MF小野伸二(右)
居残り練習する若手の様子を見守るJ1札幌MF小野伸二(右)

 3月で51歳になる。記者生活も30年近くなり「大ベテラン」扱いまでされる記者が、今年、自分のすべき役割を再認識させられる場面に出会った。

 J1の北海道コンサドーレ札幌が、沖縄・金武町で1次キャンプを張っていた2月1日。午後練習が終わった18時過ぎ、陽も落ちかけたグラウンドで、チーム最年長のMF小野伸二(41)が、2年目のMF高嶺朋樹(23)にDF裏へのパスの出し方を、自らボールを蹴りながら教えていた。別の場所ではDF福森晃斗(28)が、3年目のDF中村桐耶(とうや、20)に声をかけながら、パス練習を繰り返していた。

 小野と高嶺はボランチ、福森と中村は3バックの左でポジションが重なる。定位置を争う若手に対し、自身の経験を居残りしてマンツーマンで教える。その光景に感銘を受けたのと同時に、1つの疑問も沸いた。ライバルに塩を送るようなことにならないのかと。

 翌日、福森に感じた思いをぶつけた。返ってきた答えは「同じポジションでライバルだが、切磋琢磨することが自分の成長にもなる。桐耶は若いしこれからの選手。うまくなってもらいたいし、それでチームが強くなるのが一番大事だから」。小野にも後日、同じ質問をした。「若い子たちから学びたい部分もたくさんあるなと思っている。そういうものが全体として共有できて、更にレベルアップできるようなチームになっていけば」。自分の器の小ささを、痛感させられた。

 新聞のスペースは限られている。面白いと判断された原稿が長くなり、その内容によって行数は変わる。記者として現場に行く以上、やはりたくさん原稿を書きたいし、いいと思ったものはアピールする。それが紙面の質を良くする第一の手段だと思っていた。ただそれだけじゃダメなんだなと、2人の言葉で改めて感じた。年齢的に記者人生もそこまで長くないのは確か。いい新聞を作り続けるためには次なる世代が出てくるのが何より。自分が前に出るだけでなく、教えられるものは伝えていくことで商品の質は向上し、組織は強固になっていくのだから。

 だからといって隠居などはしませんが。自身の立場について話を進めると、小野は「試合に出るという気持ちをなくしてしまったら僕がいる意味はない」と言い、福森も「自分が負けてるとは思っていないし、若手が出てくれば自分ももっと頑張れるから」と自己を高める気持ちは失せていなかったから。記者もプレーヤーとして一線を張る気持ちは保ちつつ、チームのために尽力していかないと。(北海道支局・砂田 秀人)

沖縄キャンプでの居残り練習で仲間に指示を出すJ1札幌MF小野伸二
居残り練習する若手の様子を見守るJ1札幌MF小野伸二(右)
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