【超豪華座談会】近本光司&周東佑京、福本豊氏と盗塁論を語り合う…超一流同士だから分かり合える極意

スポーツ報知
今季の盗塁での活躍を誓う近本光司

 超豪華な“盗塁王座談会”が実現した。プロ野球最多の通算1065盗塁を誇る福本豊氏(73)=スポーツ報知評論家=と、2年連続セ・リーグ盗塁王の阪神・近本光司外野手(26)、世界記録の13試合連続盗塁を成功させたパ盗塁王のソフトバンク・周東佑京内野手(25)が、電話取材などによるクロストーク形式で極意を語り合った。(取材・構成 島尾浩一郎、戸田和彦、中村晃大)

 福本氏「両リーグの盗塁王の話を聞くのは楽しみ。さっそくだけど、盗塁で一番意識していることは」

 周東「意識しているのは、本多コーチに教わったスタートでの脱力です。変に力が入らなくなったのでスムーズに動けるようになりました」

 福本氏「スタートは硬くなるのが一番アカンからね」

 近本「走る勇気を持つことですね。アウトになったらどうしようとか、いいスタートを切らなきゃとか、いろいろ思ってしまう。勇気を持ってスタートを切ることが一番大切なのかな」

 福本氏「続けてアウトになったら、スタート切るのが怖くなる。スタートで他に注意していることは?」

 周東「(視線を)一点に集中しすぎないようにすること。投手をぼんやり見るようなイメージ。フワッと構えるイメージですね」

 福本氏「全体を見ている方がスッと動ける。僕も研究したのはフォームの癖より、投手それぞれのタイミングとリズム。投手によってセットに入ってから投げるまでのリズムが違う。それが分かるようになればスタートを切りやすくなる」

 近本「僕もそんな(ぼんやり見る)感じです。リードのときの体重のかけ方の比重は、右足と左足で7・3、6・4ぐらい。ちょっと右に多い。疲れている時でも、走らなきゃいけない時は右に8や9になったりしますね」

 周東「基本は右6、左4です。僕は近本さんとは逆に、下半身に疲れがたまって弱ってきたら5・5ぐらいにしていた。(左足の)蹴れる力が全然、弱くなる。前体重にしているとスタートの時に空回りすることが多かったので」

 福本氏「僕は5・5になるよう意識していた。けん制はあるものと思っていたから、両方に動けるように。でも気持ちが先走って無意識に右6になることもあった」

 周東「1歩目は左足を先に出すイメージにしています。でも映像を見たら右足から動いていることもある。理想は1歩目は左足で蹴りたいです」

 近本「足だけで見れば、最初に動かすのは右の方が多いです」

 福本氏「1歩目は利き足によって人それぞれ。僕の場合は右足なので右で軽くポンと反動をつけて、左足を蹴り出していた。スライディングは周東のように右でも左でもというのは無理やった。常に左が上。いつも同じなのはケガ防止の意味もあった」

 近本「状態によってストライドの幅も違ってくるので、どちらでも行けるのはすごいなと思います」

 周東「歩数は11か12です。ベース近くで歩幅を合わせようとすると遅くなる。そこを考えなくていいのは強みと思います」

 福本氏「僕は12か13やった。近本は一時、14歩に挑戦していたと聞いたけど」

 近本「もう12歩で、いつも通りやってます。体の軸の下に足がしっかり着ける感覚というのが14歩にして、やっと分かりました。12歩でもしっかりできるようにという感覚はできて良かったなと思ってます」

 周東「近本さんは土のグラウンドの甲子園を本拠地にして30個以上できるのはすごいですよね。人工芝と土は全然違う。歯のかかり具合もそうですし、ドームと違い雨が降ったり、風が吹くこともある」

 福本氏「人工芝の方が加速がつくし、調子良く感じる。僕の場合は土のグラウンドにわざと水をまかれて軟らかくされたり、いろんなことをされた」

 近本「(屋外の土のグラウンドとドーム球場では)確かに全然違うと思います。雨が降っていたりで土の状況って全然変わってくる」

 福本氏「走りやすい球場は?」

 周東「京セラと札幌は好きです。硬いので歯もかかりますし走りやすい。苦手なのは(本拠地の)ペイペイなんですよ。走りにくいなと思う。人工芝にしてはクッションが利いているので」

 近本「やっぱり東京とナゴヤ(バンテリンD)は走りやすいなって感じです」

 周東「僕は三盗ができないのですが、近本さんの映像をYouTubeで見ると、三盗が多い。参考にさせてもらっています。ピッチャーとの『間(ま)』。どのタイミングで動き出すのかを見る。ピッチャーが動く前なのか、動き出してからなのか。コツを聞いてみたいです」

 近本「『行ける』っていう間があるんですよ。去年も(DeNAの)今永さんから三盗した時には癖とかなくて、クイックとかも速いんですけど、その間で走れた」

 福本氏「三盗の方が簡単やった。面白くないからあまり走らなかったけど。近本が言うように、投手の動きというより投手の間、リズムを考えて走ればいい」

 近本「僕や周東選手もそうなんですけど、ランナーに出ると警戒されるので、(バッテリーが)今までのデータや映像と違う動きを絶対してくる。でも大事なのは癖とかじゃないので、三盗も間が大事なのかなと。その間をどう計るかですね」

 周東「1番打者としての心構えはどうですか? 僕は出塁率が一番だと思っています。昨年は打率2割7分で出塁率3割2分5厘だった。3割5分から後半いきたい。どうやったら塁に出られるか聞きたいです」

 福本氏「ヒットだけではなかなか出塁率3割後半はいかない。僕の場合は1球目は打たず、1球でも相手に放らせようとした。四球を増やすにはファウルで粘る技術、打ちにいってやめる技術を磨く必要がある」

 近本「どうやったらそんなに(周東の13試合連続盗塁みたいに)毎日走れるのかな? と思います。コンディショニングもそうですけど、警戒された中でどういうふうに(スタートを)切っているか。『もう行っちゃえ』という気持ちがあるのか『ここだ』っていう気持ちがあるのか」

 周東「失敗する気はそんなにしなかったですけど『塁に出られなかったらどうしよう』と思いました。ゾーンに入っているような感じはしましたね。でもその中で、もう1回整理して。今まで本多コーチにいろんなことを教えてもらっていただいたことを整理しながら。1回1回リセットして。成功した中でも反省点もありましたし」

 福本氏「僕の記録(前プロ野球記録の11試合連続)を抜いてくれたときはうれしかった。塁に出たら走るし、ワクワクさせられた」

 周東「(福本さんの数字は)球団記録(島野育夫の9試合連続)に並んだあたりで意識しました。(並んだときは)すごくホッとしました。今年は(球団で)本多コーチ以来の60盗塁以上を目指したいです」

 福本氏「目標が小さい。去年50なら70できる。2試合に1個でいいんやから。近本も30やったから50はできる」

 近本「今年は143試合の予定で、前半と後半で分かれている。しっかりリフレッシュできると思いますので、50はしたい」

 周東「(70は)難しいと思いますが、僕の中では目指したい数字。1個1個積み重ねていきたい」

 福本氏「最後は年長の近本に締めてもらおう。盗塁とは?」

 近本「ホームランとか、投手がピンチで三振を取ると歓声が上がるように、僕も走ると歓声が走りながらでも聞こえる。歓声を浴びられるプレー。走れる選手にとっての見せどころでもあるのかなと思います」

 福本氏「さすがにいいこと言う。今年は満員のお客さんの前で、2人が歓声を浴びながら走る姿を見たいね」

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