渡辺一平、北島康介さんのように「記録と共に記憶に残るスイマーに」…リレーコラム

スポーツ報知
渡辺一平

 今年の抱負を聞かれた時、「記録と共に記憶に残るスイマーに」という言葉を掲げています。僕は200メートル平泳ぎで2分6秒67という日本記録を持っていますが、多くの方の記憶に今でも刻まれているのは、オリンピックの北島康介さんの姿だと思います。

 では、どうすれば記憶に残るのか。やはり注目度の高いレースで記録を更新していくことです。五輪の舞台が、まさにその目標を達成できる場だと考えています。

 昨年12月の日本選手権、そして今月のジャパンオープンという2つの大切なステップを踏みました。五輪を控え、1本のレースの重さ、それに懸ける覚悟が去年とは僕の中では大きく異なってきています。

 日本選手権では優勝という結果が残りました。体を追い込み抜いている時期にもかかわらず、感覚的にもとても気持ちよいレースで、2分7秒08というタイムには自分が一番驚きました。と同時に、「これならもっともっと強くなれる」と再確認しました。今までならタイムに満足していたかもしれませんが、「もっと速く泳ぎたい」という純粋な意欲が湧き上がってきたのです。

 一方のジャパンオープンで残ったのは悔しさでした。日本記録も狙って臨みましたが、2分7秒54というタイムでの2位。2位という順位以上に、もっとタイムを出せたんじゃないか、佐藤翔馬選手が2分6秒台を出していたので、僕も2分6秒台で泳いでいたら、もっと魅力的で刺激的な、それこそ記憶に残るレースにできたんじゃないか…そんな自分自身への悔しさが大きかったのです。

 五輪選考会まであと2か月を切りました。4月は自身が持つ日本記録の更新を狙っています。レース後に「2位での代表権なんて欲しくない」とコメントしました。勝負に浮足立っているわけでも、てんぐになっているわけでもないんです。絶対に勝てると心の底から思えないと、日本記録は更新できない、世界記録は目指せない、2分5秒台は出せない。そう考えているからです。残された時間、さらなる覚悟とともに練習に臨みます。

 ◆渡辺 一平(わたなべ・いっぺい)1997年3月18日、大分・津久見市生まれ。23歳。2014年南京ユースオリンピック男子200メートル平泳ぎで優勝。16年リオ五輪で同種目五輪記録、翌年1月の東京都選手権では2分6秒67の世界記録(当時、現在は日本記録)を樹立。同種目で19年の日本選手権で初優勝、世界選手権で2大会連続の銅メダル。現在はトヨタ自動車に所属し、スポーツマネジメントをLDH JAPANが行う。193センチ、80キロ。

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