藤間爽子「祖母と同じ道」…28日に3代目藤間紫の襲名式典

スポーツ報知
偉大な祖母の名前を受け継ぐ藤間爽子

 2009年に死去した日本舞踊家で女優の藤間紫さん(享年85)の孫で、女優の藤間爽子(さわこ、26)が、28日に東京・赤坂の日枝神社で3代目藤間紫の襲名式典を行うことが16日、分かった。爽子はこのほどスポーツ報知などの取材に応じ、コロナ禍での襲名や、祖母も歩んだ女優と舞踊家の二刀流の道をまい進する意気込みを語った。

 日本の伝統芸能の歴史に輝く「藤間紫」を受け継ぐ日が迫ってきた。顔の輪郭や目元に祖母の面影を残す爽子は「実感はないですが、襲名をしてから、名前がちょっとずつ自分を変えてくれると思っています」。コロナ禍で昨年行うはずだった襲名式が延期に。28日の式典も、緊急事態宣言中とあって人数制限されるが「この状況だからこそ、ピンチをチャンスに変えたい」と言葉に力を込めた。

 祖母は日本舞踊の紫派藤間流家元だった紫さん、祖父には人間国宝の2世藤間勘祖さん(死別)と歌舞伎の名優・市川猿翁(00年再婚)。母や兄の貴彦も舞台に立つ芸能一家に生まれた。紫さんは「先生というより優しいおばあちゃん」。小学4年生の時に舞った「羽根の禿(はねのかむろ)」は猿翁が絶賛し、紫さんが嫉妬したほどで、早くから後継者に指名してきた。紫さんの死後、2代目を襲名した猿翁に師事してきたが、弟子からも技術が認められ、3年前に3代目襲名が決まった。

 初代の紫さんはその実力から女優としても歌舞伎の舞台に唯一立つことが許され、初世市川猿翁、3世市川段四郎、2代目猿翁の相手役を3代にわたり務めた。日本舞踊と歌舞伎で活躍した祖母が歩んだ二刀流の道。爽子は「祖母も女優業をやっていて、同じ道を自然と歩みたいと思った」と目を輝かせる。

 日本舞踊の舞台に立ちながら、猿翁の始めたスーパー歌舞伎をきっかけに、役者への憧れを募らせた。紫さんからも「舞踊はうまいが、芝居は下手ということはない」という言葉で背中を押された。大学3年時の就職活動を機にオーディションを受け、17年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」に出演。流派からも女優業を反対する声はなく「若い時にやれることはやりなさいと応援してくださいます」。

 襲名披露公演は来年1月29~30日に東京・国立劇場で予定されているが、襲名後の“初舞台”は、3月6日開幕の「いとしの儚(はかな)」(東京・下北沢ザ・スズナリ)でヒロインを務める。「多くの人に日本舞踊を知ってもらうため、まず私を知ってもらいたい。どんな役にも挑戦します」。その名に恥じない活躍を誓った。

 ◆藤間 爽子(ふじま・さわこ)1994年8月3日、東京都生まれ。26歳。幼少のころから祖母・藤間紫さんに師事し、7歳で歌舞伎座の舞踊会で初舞台を踏む。日本舞踊家として日本舞踊協会公演などに出演しながら、17年に青山学院大文学部を卒業。同年、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」に出演。18年、舞台「半神」で初舞台を踏む。身長154センチ。

 ◆藤間 紫(ふじま・むらさき)1923年5月24日、東京都生まれ。父は元日本医科大学学長・河野勝斎氏。30年、藤間章吉に入門。幼少時より舞踊の才能の片りんをみせ、天才少女と呼ばれる。新派、新国劇の舞台や映画「三等重役」などに出演。44年、21歳で24歳年上の6世勘十郎と結婚。その後、2児をもうけたが、60年代から猿之助(現猿翁)と生活。6世勘十郎と死別し、00年に猿之助と再婚。09年に肝硬変による肝不全のため死去。

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